人々の “健康促進” のために!

人々の “健康促進” のために!
2015年春、沖縄の琉球大学キャンパス内 (産学共同研究棟) に立ち上げた “PAK研究センター” の発足メンバー(左から4人目が、所長の多和田真吉名誉教授)
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2013年12月23日月曜日

海洋性カロチノイド「アスタキサンチン」(AX)もPAK遮断剤:
健康長寿と肌の美白に役立つ!

(クチナシの実やサフランのめしべ由来の)クロセティンは植物性カロチノイドであるが、赤い色の海洋生物、例えば北極エビ、微小のプランクトン(紅藻)紅鮭などに含まれている真っ赤な色素 (アスタキサンチン) もカロチノイド類に属する。 面白いことには、2011年に大東文化大学の梁瀬澄乃博士は、このアスタキサンチン(AX)が線虫の寿命を延ばすことを発見した(1)。そのメカニズムは (PAK遮断剤と同様) 転写蛋白「FOXO」を介していることも明らかになった。 従って、食品の着色に使用されているこの海洋カロチノイドクロセティンと同様、PAK遮断色素である可能性が非常に高い. 2013年になって、それを実証する論文が発表された!(2)  実は、AXの延命効果に関する論文を読んで、彼女にPAK欠損株の長寿を証明する共同研究を申し出たわけである。因みに、箱根大学駅伝やマラソンのコーチで有名な順天堂大学の沢木啓佑博士によれば、AXを毎日6 mg づつ摂取すると、運動による疲労も軽減する (つまり「スタミナ」がつく) そうである。amazon。co。jp によれば、例えば、大塚製薬のAXは30錠入りが約1500円で入手できる。一錠当たり 6mg のAXを含み、毎食一錠づつ飲んでも、毎日150円しかかからない。往年の長距離水泳チャンピオン、「稲妻の海藻」という異名をもっていた豪州のマレー・ローズ(1939ー2012)のスタミナの秘密は、ひょっとすると、AXを最も多く含む (「ヘマトコッカス」と呼ばれる) 紅藻だったのではなかろうか。。。この藻は平時は緑色であるが、紫外線や地球温暖化などのストレスを受けると、AXを体内に大量生産して赤色に変わる。 

なお、2012年に東京工科大学(八王子)の芋川玄爾教授らがアスタキサンチン(AX) の "美白効果"、つまり、メラニン色素の生合成を抑える作用を発見した。後述するが、この美白効果は、メラニン合成に必須なPAKーMITFーチロシナーゼ経路を遮断することによって、発揮されるものと考えられる。

参考文献:
1. Yazaki K, Yoshikoshi C, Oshiro S, Yanase S. Supplemental cellular protection by a carotenoid extends lifespan via Ins/IGF-1 signaling in C. elegans. Oxid Med Cell Longev. 2011; 2011:596240. 
2.  Kavitha K, Kowshik J, Kishore TK, Baba AB, Nagini S. Astaxanthin inhibits NF-KB and Wnt/B-catenin signaling pathways via inactivation of Erk/MAPK and PI3K/Akt to induce intrinsic apoptosis in a hamster model of oral cancer. Biochim Biophys Acta. 2013, 1830: 4433-44.