GPE (ブラジル産グリーンプロポリスエキス)は、NZ産のプロポリス(Bio 30)と同様、動物(マウス)実験で、NF腫瘍の増殖を強く抑えた(1、2)。GPEの抗腫瘍作用は主に、エキスに含まれるARC(Artepillin C)と呼ばれるポリフェノールのPAK遮断作用による(2)。
さて、最近、Bio 30による世界規模のNF患者を対象とする治療(治験)が成功裡にほぼ完了したのに伴い(3)、山田養蜂場が自社のGPE製品(「P300」と呼ばれるカプセル剤)を無償で提供、8ー10名の重症NF1患者(特にMPNST患者)を対象とする半年間にわたる治験をできるだけ早期に開始したい意向である。
予備実験として、「P300」(毎日6粒づつ経口)が「Bio 30」 同様、NF1患者の皮膚腫瘍 (いわゆる「ブク」) を一ヶ月以内に縮小することは実証済み(3)。更に、P300とBio 30の併用で、MPNSTの再発が少なくとも3か年予防される、という欧米の例もある。
そこで、この治験に参加したい患者を、今月から募集開始する予定である。希望者が8名に達し次第、然るべきNF1専門医の指導下に、治験を早急に開始したい。希望者は下記にメールで応募されたし。
maruta20420@yahoo.co.jp
なお応募の際、病名(MPNST)、腫瘍がどこにあり、今までどんな治療を受けてきたか、氏名、年令、
体重、住所などをご連絡下さい。担当医の名前と病院名(所在地)もお知らせ下さい。
文責: 「NF/TSC Cure Org」 マネジャー, (薬学博士) 丸田 浩
(元ルードビッヒ国際癌研究所, 制癌剤開発部長)
参考文献:
1。Demestre, M. Messerli, S., Celli, N., Shahhossini, M. et al. CAPE (Caffeic Acid
Phenethyl Ester)-based Propolis Extract (Bio 30) Suppresses the Growth of Human
Neurofibromatosis (NF) Tumor Xenografts in Mice. Phytother. Res. 2009, 23, 226-
30.
2。Messerli, S., Ahn, MR., Kunimasa, K., Yanagihara, M. et al. Artepillin C (ARC) in
Brazilian Green Propolis Selectively Blocks the Oncogenic PAK1 Signaling and
Suppresses the Growth of NF Tumors in Mice. Phytother. Res. 2009, 23, 423-27.
3。Maruta, H. Effective NF therapeutics blocking PAK1. Drug Disc. Ther. 2011, 5,
266-78. http://www.ddtjournal.com/action/downloaddoc.php?docid=482