http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008051090162150.html?ref=rank
来る11月に行われる米国の大統領選挙には、2期に渡ってイラク戦争で世界中を苦しめてきたジョージ・ブッシュは、幸いもはや立候補できない。それに代わって、共和党から立候補するのは、ジョン・マケインが既に確定している。72歳のベトナム泥沼戦争に従軍したベテランである。イラクの泥沼戦争をまだ支持しているこのオールドタイマー(石頭)には、世界どころか米国さえも好転させることは、とても期待できない。
さて、問題は民主党候補の指名選である。1月以来ずっと、ニューヨーク州上院議員の老練ヒラリー・クリントンとイリノイ州上院議員の若武者バラク・オバマとが、激しいトップ(鍔ぜり)争いを展開している。これまでの予備選挙で獲得した代議員数では、オバマが1割ほどヒラリーをリードしているが、オバマは代議員数の多い州(大型票田、例えば、ニューヨーク、カルフォルニア、テキサス、オハイオ、ペンシルバニア、フロリダなど)の予備選で(小差ではあるが)ヒラリーに敗れている。来たる8月にコロラド州デンバーで開催される民主党大会で、最終的に指名を獲得するためには、両候補共、残る400ー500名のいわゆる「スーパー代議員」(党の要職についている、国会議員や州知事など)から支持を獲得しなければならない。その争奪戦がこの3か月間に激しく繰り広げられることになるだろう。
1年ほど前、オバマがまだ立候補を宣言するまで、私はヒラリーを支持していた。他に有力な候補者が民主党陣営に見当たらなかったからだ。しかしながら、オバマが頭角を現わし始めた1月初旬の予備選以来、私ははっきり「オバマ支持」に回った。彼はエネルギッシュであるばかりではなく、極めて正直な青年だからだ。その上、米国が国連を無視してイラク戦争に突入する前から、この戦争にはっきりと反対の意志を表明している「先見の明」がある人物である。それにくらべて、ヒラリーはイラク戦争(米国によるイラクへの一方的侵略)を初めから支持していた。更に、一連の予備選挙で、汚い遣り口でオバマを誹謗してきた。なるほど、ヒラリーは「大統領夫人」(ビル・クリントンの妻)として8年間、ホワイトハウスで、政界を操った経験は豊かであるが、その経験は、いわゆる「寝技」に過ぎず、正々堂々としたオバマのアプローチとは、明らかに違う。米国、さらに世界を今後、抜本的に改善するには、ヒラリーの因習的なやりかたでは、とてもダメだ。
私は、ヒラリーが「女性だから駄目だ」と言っているのでは決してない。女性や有色人種を差別する時代は、もうとっくに過ぎ去った。少なくとも我が家では、そんな差別は(長男である)私自身が生まれて以来、一度もみかけたことがない。強いていえば、実力が同じなら、(男性よりも)女性を(同国人よりは)他国人(異民族)を採用するのが、私の一貫した雇用方針である。オバマにはもう1つ、純粋な「白人」であるヒラリーには欠けている大きな利点がある。オバマは、いわゆる「黒人」ではない。白人の母親とケニア人(有色人種)の父親との間に生まれた混血児(いわゆる「ハーフ」)である。従って、白人の立場ばかりではなく、他の有色人種の立場も、自分自身の長い(かつ苦い)体験から、良く理解できる。そういう意味で、世界の紛争を平和的に解決できる優れた素質を兼ね備えている。ヒラリーは中東紛争で、イスラエルを一方的に支援している。そんな遣り方では、中東の血生臭い紛争を解決できるはずがない。
ヒラリーは5月初めに、「もし、イランがイスラエルを攻撃したら、米国はイランを攻撃するだろう」と(「ブッシュ政権」まがいの)演説をして、オバマから厳しい批判を受けた。イランをイラク同様占領して、油田を確保しようという意図が丸出しだからだ。イランとイスラエルとの戦争は本来、当事者同士でまず解決する問題であって、「石油の利権」を狙って米国がイスラエル側に加担するのは、明らかに越権行為である。地球の温暖化を避けるため、石油に頼らず(自然の力をそのまま利用する)太陽や風力などの「グリーン」エネルギーを積極的に開発すべき時代が来つつあるのに、ヒラリーはまだ気づいていないのだろうか。
そこで、聡明なオバマが、できれば8月の党大会で大統領候補として指名されることを、私は切に望んでいる。もし、不幸にしてヒラリーが指名された場合にも、オバマが「副大統領候補」として指名され、11月の総選挙で、共和党のマケインを破ることを期待している。そうすれば、ホワイトハウスで、副大統領として、4年間あるいは8年間の豊かな経験を積み上げ、2012年あるいは2016年の総選挙で、念願の大統領に選ばれ、父親が果たせなかった夢を、実現するのはほとんど確実であろう。
Barack Obama would be our "Magic Bullet".
5月初めのノースカロライナ予備選で、中道保守派のヒラリーを大差で破ったリベラル派のオバマは、民主党候補指名獲得へさらに邁進しつつある。オバマ政権の成立という夢が実現する可能性がいよいよ濃厚になった。さて、誰が副大統領候補になるかが、次の焦点になろう。ライバルのヒラリーか、それとも若手のジョン・エドワーズか?
撤退のエドワーズ氏 オバマ氏支持を表明!
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2008051502011535.html
Congratulations on the nomination of Obama !! (3/6/2008)
http://www.asahi.com/international/update/0604/TKY200806040019.html
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