最近、韓国の研究グループにより、ベトナム沿岸で取れる食用ヒトデの(メタノール)エキスに、炎症や癌細胞の増殖を抑える作用があることが発見された。 実は、この研究に従事しているのは、ベトナム出身の研究者(院生やポスドク)が多いのが特徴。
このエキスのIC50 は1ppm、プロポリス (Bio 30) よりも数倍活性が高そうである。 その有効成分を同定したところ、トリテルペンの配糖体(サポニン)であることが判明した(1)。 前述したが、ナマコ中にも抗癌性のサポニンが多い。 抗癌作用のメカニズムを調べてみると、PAKのすぐ下流にあるキナーゼERKが、サポニンによって抑制されている。 従って、このサポニンがPAK遮断剤である可能性が強い。
このエキスのIC50 は1ppm、プロポリス (Bio 30) よりも数倍活性が高そうである。 その有効成分を同定したところ、トリテルペンの配糖体(サポニン)であることが判明した(1)。 前述したが、ナマコ中にも抗癌性のサポニンが多い。 抗癌作用のメカニズムを調べてみると、PAKのすぐ下流にあるキナーゼERKが、サポニンによって抑制されている。 従って、このサポニンがPAK遮断剤である可能性が強い。
日本でも、ヒトデを食べる地方がある。菜の花が咲く旧暦の節句のころから、熊本・天草の不知火海に面
した龍ヶ岳町や御所浦町一帯では、ヒトデが食される。「ゴホンガゼ」と島の人たちに呼ばれている種類で、表面は薄紫色、白い小さなトゲがたくさんあるのが特徴だ。裏返すと足の内側に沿って薄いオレンジ色の卵が見える。2月から5月始めにかけてヒトデの卵が入るこの時期だけの、磯料理だ。天草郡龍ヶ岳町樋島
の海岸一帯では昔から、潮干狩りでカキやミナと一緒に、採られてきた。
目下、沖縄沿岸で採れるヒトデ (Blue Star) にも、抗癌 (PAK遮断) 作用の強いサポニンが含まれているかどうか調べている。
参考文献:
1.Thao NP, Luyen BT, Kim EJ, Kang HK, Kim S, Cuong NX, Nam NH, Kiem PV, Minh CV, Kim YH. Asterosaponins from the Starfish Astropecten monacanthus suppress growth and induce apoptosis in HL-60, PC-3, and SNU-C5 human cancer cell lines. Biol Pharm Bull. 2014; 37(2): 315-21.