北京にある中国学士院 (科学アカデミー) 大学のグループらが最近、マウスを使った (記憶/学習能力に関する) 動物実験から、大変面白い 研究結果を発表した。夜間、学習直前に白日光のパルス刺激を与えると、(脳内の海馬) PAKが活性化され、マウスの記憶力が増強する。 ところが、PAK遺伝子を欠損したマウスでは、白日光のパスル刺激を与えても、PAKの活性化が起こらないため、記憶力の増強が見られない (1)。 ということは、夜中にトイレに行くために電灯をしばらく (15-30分間) 点灯した後、何かを学習すると、その記憶が長らく持続する理屈になる。。。 最近、豪州のクイーンズランド大学の研究グループによれば、超音波を頭部に照射すると、認知症患者 (マウスモデル) の記憶力が回復するという。 超音波で もPAKが活性化されるのだろうか? 面白いことには、数年前に国立台湾大学の研究グループによれば、細胞に超音波を照射してもPAKの活性化が起こるそうである (2)。
逆に、PAKが異常に活性化されると、記憶力が低下することが既に知られている。 従って、PAKレベルを正常に保つことが、効率の高い学習/記憶能力に必須であるらしい。。。
パブロフの条件反射とは、例えば、愛犬に餌を与える直前に鈴を鳴らす習慣をつける (条件づける)と、餌を与えなくとも、鈴の音だけでも、愛犬がよだれを垂らすようになる (口に唾液が出てくる) 現象を指す。 つまり、餌と鈴の音との関連性を学習/記憶する (一種の「水平思考」) 能力を、 (犬や人間に限らず) 線虫を含めてあらゆる動物が備えている。
参考文献:
1. Shan LL1,2,3,4,
Guo H1,3,4,
Song NN5,
Jia ZP6,
Hu XT1,7,
Huang JF2,8,
Ding YQ5,
Richter-Levine
G9, Zhou QX1,2,3,
Xu L1,2,3,4,7.
Light exposure before learning improves memory consolidation at night. Sci Rep.
2015 Oct 23;5:15578.
2. Hou CH1,
Lin J,
Huang SC,
Hou SM,
Tang CH.
Ultrasound
stimulates NF-kappaB activation and iNOS expression via the Ras/Raf/MEK/ERK
signaling pathway in cultured preosteoblasts. J Cell Physiol. 2009 ; 220(1):196-203.
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