の室温が10度!) である。さて、昨日は久々遠出をして、(バス、市電、列車、タ
クシーなどを駆使して) 片道2時間半もする郊外にあるマネキン屋の倉庫に出かけ
て、銀色に輝く「トルソ」(女性胴体、約5キログラム) を80ドルという格安で入手してきた。
(経営不振のため) 10月に店仕舞いをするそうで、定価の4割り引きで、棚下ろしセール中
だった。
浴衣、腰巻タオルなどの衣装を着せ、照明ライトを駆使して、セクシーな芸術
写真を幾つか撮ってみた。 昨夜のメインメニューはトップレスの「トルソ165」である。
往年の米国映画「マネキン」のシーンをふと思い出す。芸術家くずれで、女性にも
さっぱり運のないジョナサンが自分の作った最高のマネキン「エミー」に、あるデパートの
ショーウインドーで再会する。そのうち、マネキンが人間の姿に変身して、ジョナサンの
恋人役を演じる。 そんな夢を見ながら、昨夜は熟睡した。
私がマネキンに初めて興味をもったのは、今から30年以上昔のことである(勿論、
例の映画が制作されるずっと前のことである)。当時、西ドイツのミュンヘン郊外
にあったマックスプランク研究所で数年間、生化学の研究を続けていた。ある日、
汽車で (ネッカー河畔にある) ハイデルベルグという美しい古都に出かけた。 日没
ごろ、街燈がともり始めた街並みのショーウインドーで、肌着をまとった足長の
すらりとしたマネキン(名付けて "ネッカーのビーナス") に出会った。早速、彼女を
カメラに収めた。 今でもその一こまを写真アルバムに大事に保存している。 しかし、
マネキン (しかも、首や手足のない「トルソ」) を今ごろになって自分の手で買おうとは、
想像だにしなかった。
実は3、4年ほど前に、等身大 (高さ165 センチ) の真っ白な素焼きの若い女性像
(ジュリーという名) を、我が芸術の庭に「オブジェ」のひとつとして設置した。
ジュリーも定価の半額 (約300ドル)で店仕舞い前の骨董品屋から入手したものだ
が、目方が40キログラム以上する。しかも、(海外旅行など留守中の) 盗難を防ぐ
ため、鉄筋コンクリートで土台をしっかりと地面に固定してしまった。 従って、
屋内 (例えば、アトリエや台所など) への持ち込みは不可能だった。 このマネキン
(名付けて"メルのビーナス"、頭部=20センチ、残りの脚部=55センチを仮に補充すれば、
身長=165センチ前後) はずっと軽量で、持ち運びがすこぶる簡単であり、屋内での
愛玩用 (目の保養) にぴったりである。勿論、(実際には) 顔と手足がないので、
想像力をたくましくせねばならないが。。。
0 件のコメント:
コメントを投稿