しかしながら、この薬剤は水に不溶性という欠点があり、そのままでは臨床には利用できない。 そこで、数年かけて一連の水溶性のPP1誘導体を開発して最近、米国特許を取得したことを前述した。 その内で、誘導体PP12 は、細胞透過性が高く (IC50=100 nM)、その抗癌作用はAZD0530の100倍にも達することが判明した。 従って、この誘導体が将来、癌ばかりではなく認知症などの老人性難病の治療にも役立つことが期待される。
参考文献:
Kaufman AC1, Salazar SV1,
Haas LT1,
Yang J1,
Kostylev MA1,
Jeng AT1,
Robinson SA1,
Gunther EC1,2,
van Dyck CH3,
Nygaard HB1,2,
Strittmatter
SM1,2. Fyn inhibition rescues established memory and
synapse loss in Alzheimer mice. Ann Neurol.
2015 Jun;77(6):953-71.
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