前述したが、グリーベックは発癌性チロシンキナーゼである「ABL」や「KIT」などの阻害剤として知られており、稀少癌である「CML」や「GIST」の特効薬として、10年以上前から市販されているが、この薬剤を長期に使用している(特に東洋人系)患者の間に、肌や頭髪が白くなる副作用が、数年前から観察され始めた。本年になって、そのメカニズムが中国の研究グループによって解明された。この薬剤の標的「KIT」はRASを介してPAKを活性化することが知られているが、(この薬剤が) その更に下流にある転写タンパク質「MITF」とチロシナーゼの発現を抑えることによってメラニン合成を抑制することが確認された (1)。
言い換えれば、色素細胞、万能細胞、NF腫瘍など「KIT」依存性の細胞に関しては、グリーベックも市販のPAK遮断剤の仲間になりうるのだ! 従って、グリーベックあるいはその誘導体 (ニロチニブ) がPAK依存性のNF腫瘍 (MPNST やシュワノーマ) 細胞の増殖を抑えるという最近の報告は、驚くにはあたらない (2)。
言い換えれば、色素細胞、万能細胞、NF腫瘍など「KIT」依存性の細胞に関しては、グリーベックも市販のPAK遮断剤の仲間になりうるのだ! 従って、グリーベックあるいはその誘導体 (ニロチニブ) がPAK依存性のNF腫瘍 (MPNST やシュワノーマ) 細胞の増殖を抑えるという最近の報告は、驚くにはあたらない (2)。
参考文献:
1. Wang Y, Zhao Y, Liu L, Zhang L,
et al. Inhibitory
effects of imatinib mesylate (gleevec) on human epidermal melanocytes. Clin Exp Dermatol. 2014,
in press.
2. Sabha N,
Au K,
Agnihotri S,
Singh S,
et al. Investigation of
the in vitro therapeutic efficacy of nilotinib in immortalized human NF2-null
vestibular schwannoma cells. PLoS One.
2012; 7: e39412.
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