3年ほど前に、米国のカルフォルニア大学で、センチュウを実験材料に使用して、PAKが統合失調症にも必須であることが証明された (2)。 統合失調症の一因は、「DISC1」と呼ばれる抗癌タンパク質が欠損/不全であることが知られている。 このタンパク質の機能不全が起こると、PAKが異常に活性化される。 いいかえれば、「DISC1」は元来 PAK遮断タンパク質の一つなのだ。
さて、ごく最近になって、米国のボルチモアにあるジョンス・ホプキンス大学医学部の 澤 明 (あきら) 教授 (東大医学部卒) のグループが 「DISC1」 を欠損した (統合失調症) マウスを実験材料にして、PAK阻害剤 (例えば、FRAX486など)が、統合失調症によって発生する神経伝達末端 (シナプス) の損傷を遅延あるいは修復することを証明した (3)。 この研究の原動力となった林 (高木) 朗子(あきこ) 博士は、東大医学系大学院に戻って、助教授 として目下活躍!
従って、近い将来、統合失調症は、プロポリスなど様々なPAKを遮断しうるハーブ類や市販合成医薬品 (例えば、血圧低下剤「グアナベンズ」や抗MS剤「フィンゴリモド」など ) によって治療しうる可能性が出てきた!
参考文献:
1. Dolan BM,
Duron SG,
Campbell DA,
et
al: Rescue of fragile X syndrome phenotypes in Fmr1 KO mice by the small-molecule PAK inhibitor FRAX486.
Proc Natl Acad Sci U
S A. 2013 ;110:5671-6.
2. Chen SY,
Huang PH,
Cheng HJ.
2011. Disrupted-in-Schizophrenia 1-mediated axon
guidance involves TRIO-RAC-PAK small GTPase pathway signaling. Proc Natl
Acad Sci U S A. 108:5861-6.
3. Hayashi-Takagi A,
Araki Y, Nakamura M,
Vollrath B,
et al. PAKs
inhibitors ameliorate schizophrenia-associated dendritic spine deterioration in
vitro and in vivo during late adolescence. Proc Natl Acad Sci U
S A. 2014 Apr 3. In press.
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