絹糸 (フィブロイン) の原料である繭をせっせと作る蚕の餌 (主食) である白桑
(Morus alba)の葉には、抗炎症作用があることが古来から知られており、
例えば喘息を治療する漢方薬としても使用されているそうだ。 さて、 ごく最近
になって、台北にある 台湾科学アカデミーの研究グループが桑の葉に含れる
抗炎症成分の同定に成功した。驚くなかれ、それはレスベラトロール (R3)
の誘導体だった。 オキシレスベラトロール (R4)と呼ばれ、ピシアタノルと同
様、4個の水酸基を持ち、抗炎症作用もR3より強い (両誘導体R4の違いは、
4番目の水酸基の位置にある)。 もちろん、PAKを遮断し、AMPKを活性化
することもわかった。
参考文献:
Chen YC, Tien YJ, Chen CH, Beltran FN, et al. Morus alba and active compound
oxyresveratrol exert anti-inflammatory activity via inhibition of leukocyte
migration involving MEK/ERK signaling. BMC Complement Altern Med. 2013
; 13: 45.
桑の葉を食べ続ければ、PAKを遮断するR4のお蔭で、健康長寿を楽しむことが
できるはずであるが、 不運にも、蚕の場合は (4回目の脱皮を終える頃)食欲を失
(断食) し、繭作りに専念し始め、蛹になって休眠した後、羽化して成虫 (蛾) になり、
交尾して(メスは) 産卵を始める。 成虫の生存期間は、オスの場合8日前後、メスの
場合は3日前後である。さて、卵が孵化するのは、産卵後11日目である。 従って、
蚕の両親は子供たちの顔を見ずに死んでゆく運命にある。。。
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