スイスの製薬会社「ノバーティス」からつい最近 (欧米で)「MS」治療薬として市販された経口薬「フィンゴリモド」(化学名: FTY720) はスフィンゴ脂質の誘導体であるが、どうやらPAK遮断剤のようである。なぜかと言えば、(プロポリス由来のCAPEなどと同様) 、 チロシナーゼ遺伝子の発現を抑制することによって、メラニン色素の合成を抑え、美白効果を発揮することが、2011年に韓国ソウルの研究グループによって発見されているからである (1) 。
この新薬は元々、1996年に藤多哲朗教授 (京大)* を中心とする産学共同研究グループによって、臓器 移植用に開発 ( "冬虫夏草" 由来の抗生物質から半合成)された免役抑制剤である (2)。
*http://sangakukan.jp/journal/journal_contents/2010/06/articles/1006-04-4/1006-04-4_article.html
従って、この新薬は将来、自己免疫病の一種であるMS (多発性硬化症) ばかりではなく、癌やその他多くのPAK依存性難病 (例えば、NFや認知症) の治療薬として活躍する可能性がある。 ただし、毎日の薬価が目下、一錠 (0。5 mg) が8千円以上! 更に、FTY720は免疫抑制剤なので、抗癌剤として使用する場合は、患者の免疫機能を低下させる副作用を伴う。 そこで、オハイオ州立大学 (OSU) の癌研究グループが2、3年前に免疫抑制作用のないFTY720誘導体「OSUー2S」を開発した。 この誘導体の抗癌作用はFTY720よりも強い !
参考文献: 1。 Lee JE, Kim SY, Jeong YM, Yun HY, et al. The regulatory mechanism of melanogenesis by FTY720, a sphingolipid analogue. Exp Dermatol. 2011 ; 20、237-41.
2。 Chiba K, Hoshino Y,
Suzuki C,
Masubuchi Y,
et al. FTY720,
a novel immunosuppressant possessing unique mechanisms. I. Prolongation of skin
allograft survival and synergistic effect in combination with cyclosporine in
rats. Transplant Proc. 1996, 28: 1056-9.
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