マリアあざみの種由来の「シリマリン」(Silymarin) はフラバノンの一種であるが、最近、この天然物質がセンチュウの寿命を延ばすことが判明した。更に、認知症にかかったセンチュウの神経麻痺を遅延させることもわかった (1)。 前述したが、この種の薬理作用はPAK遮断剤の典型的な生物活性である。この物質の抗癌作用や抗炎症作用も昔から知られている。さて、PAKがメラニン色素の合成に必須であることも前述した。そこで文献を調べてみると、数年前に、韓国の研究グループにより、この物質がメラニン合成を(チロシナーゼ遺伝子の発現を抑制することによって)阻害することを確認していた(2)。従って、マリアアザミ由来の「シリマリン」もPAK遮断剤であることは疑いない。
参考文献:
- Kumar J. Silymarin Extends Lifespan and Reduces Proteotoxicity in C.elegans Alzheimer's Model. CNS Neurol Disord Drug Targets. 2015 Jan 15.
- Choo SJ, Ryoo IJ, Kim YH, et al. Silymarin inhibits melanin synthesis in melanocyte cells. J Pharm Pharmacol. 2009; 61: 663-7.
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