「ウルソール酸」と化学構造が良く似ているトリテルペンに、「Asiatic Acid」と呼ばれる天然物質がある。
C28位にカルボン酸基を持つのは共通だが、(ウルソール酸と違って) 水酸基はC3位以外にC4位とC2位にもある。食用かつ薬草でもある ツボクサ (積雪草) 中に配糖体の形で多く含まれている。 最近の中国や韓国の研究グループの報告によれば、その誘導体は「PAK」遮断剤であり、抗癌作用や美白 (メラニン色素合成を阻害する) 作用がある(1、 2)。 従って、この草 (野菜) をサラダにして毎日大量食べれば、癌の予防や健康長寿にも肌の若変りにも有効なはずである。
ただし、この物質も「ウルソール酸」と同様、酸性なので、なかなか細胞膜を通過しにくいという欠点がある。そこで、このカルボン酸に水溶性の「トリアゾール環」を付加し、更に水酸基を「アミノ基」などに置換して、アルカリ性の化合物に変換して、その抗癌 (PAK遮断) 作用を飛躍的に増強する試みが進められつつある。
参考文献:
1.
Li JF1,
Huang RZ1,
Yao GY1,
Ye MY1,
et al. Synthesis and biological
evaluation of novel aniline-derived asiatic acid derivatives as potential anticancer agents. Eur J Med Chem. 2014 ; 86: 175-88.2. Kwon KJ1, Bae S1, Kim K1, An IS1, et al. Asiaticoside, a component of Centella asiatica, inhibits melanogenesis in B16F10 mouse melanoma. Mol Med Rep. 2014 ; 10: 503-7.
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