人々の “健康促進” のために!

人々の “健康促進” のために!
2015年春、沖縄の琉球大学キャンパス内 (産学共同研究棟) に立ち上げた “PAK研究センター” の発足メンバー(左から4人目が、所長の多和田真吉名誉教授)
For detail, click the above image.

2015年2月20日金曜日

美白化粧品"PF309": 抗癌剤として開発された 「PF3758309」 の変身?


米国の大手製薬会社ファイザーが2、3年前、合成抗癌剤として開発した「PF3758309」(略称:PF309)は主に、発癌キナーゼであるPAK1とPAK4を直接阻害する薬剤である。動物 (マウス) 実験では、大腸癌や乳癌など各種の固形癌の治療に効果があると判定されて、癌患者を対象とする治験が開始された。しかしながら、巷の噂によると、体内での出血 (血小板の凝集を抑えるため) など、いくつかの副作用が顕著に出るため、不幸にして治験中止になったと言う。

さて、 今年になって、この抗癌剤が「肌の美白」を目的とする女性向け化粧品の材料として有効であるという研究報告が韓国の研究グループによって発表された。主な理由は以下の通りである。皮膚細胞(例えば、メラノーマ)のメラニン色素合成には、主に2種類のキナーゼ(PAK1とPAK4)が必須である。従来、美白効果を狙う化粧品に使用されていた薬剤は主に2種類: メラニン色素合成に必須な酵素チロシナーゼを直接阻害するもの(例えば、コージ酸など)と天然PAK1遮断剤 (例えば、CAPE、クルクミン、シコニンなど) である。後者はチロシナーゼ遺伝子の発現を抑える薬剤である。ところが後者はチロシナーゼ遺伝子の発現に必須なPAK4を抑える作用がないため、美白効果は約半分程度である。つまり、(白髪のごとき) 真っ白にはならない。ところが、「PF309」を化粧品に使用すれば、「一石二鳥 」の効果 (PAK1とPAK4を同時に阻害すること) が期待できる! 
従って、この薬剤は医薬品しては失敗に終わったが、化粧品として活路を開きうる可能性が生まれつつある。。。 ある統計によると、化粧品の売り上げは医薬品の売り上げ をしのぐそうである。
ァイザーに化粧品の開発へ乗り出す勇気があれば、ぼろ儲けができる可能性がある。

0 件のコメント: