「アンチエイジング・バトル最終決着』(朝日新書)という話題書の著者、坪田一男教授(慶應大学医学部眼科医)、
日本抗加齢医学会の理事長は、(牛乳の効用について) こう結論づける。
血糖値やコレステロールを考えれば、飲み過ぎはよくない。しかし、全国10万世帯を対象に食品の摂取状況とその地域の死亡率の関連を調べた研究結果によれば、現実に牛乳を飲む人のほうが寿命が長い。また、すべての病気の死亡率をもっとも下げてくれるのが牛乳であるとの結果が出ている。(週刊ポスト2014年4月18日号から抜粋)
さて、2、3年前に米国テキサス大学の研究グループが発表した論文(1)によれば、牛乳の中にセンチュウの寿命を伸ばすペプチド(MP)が存在するそうである。無処理の平均寿命が13日に対して、MPで処理すると平均寿命が16日に延長する(20%以上、寿命が伸びる!)。MPは、EGFR(ErbB1)やVEGFなどの発癌性のチロシンキナーゼを阻害し、大腸癌細胞の増殖を抑える。 従って、「牛乳を常用する人は長生きする」という説は、本当らしい。
けだし、これらのチロシンキナーゼは、「無用の長物」(発癌/老化キナーゼ) であるPAK1の上流や下流で機能するので、MPは間接的にPAK1を遮断している。
参考文献:
- Kreider RB, Iosia M, Cooke M, et al . Bioactive properties and clinical safety of a novel milk protein peptide (MP). Nutr J. 2011 ; 10: 99.
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