最近、キナーゼ活性を測定 (定量) するのに、従来の「放射性アイソトープ」の代わりに「ホタルの光 」(蛍光) を利用した「ADPーGlo」と呼ばれるキナーゼ定量セット (Promega から発売) が研究室で流行している。 その原理をごく簡単に解説すると、次のようになる。
キナーゼにより蛋白が燐酸化されると、基質のATPが分解されて、ADPになる。この蛍光法は、生成したADPの量を定量する。 特殊な試薬で、まず残ったATPを除いた後、ADPを燐酸化してATPの形に戻し、ホタル由来の蛍光源「ルシフェリン」と酵素「ルシフェラーゼ」を利用して、蛍光を発する仕組みである。 この蛍光反応はATPの量に正比例する。
逆に、この蛍光定量法に多少の改良を加えて、PAKなどの"発癌キナーゼ" を阻害する化合物 (あるいはその阻害活性を強化する新規な酵素、例えば「STOHase」など) のスクリーニングや単離精製などが簡便になし得る。
逆に、この蛍光定量法に多少の改良を加えて、PAKなどの"発癌キナーゼ" を阻害する化合物 (あるいはその阻害活性を強化する新規な酵素、例えば「STOHase」など) のスクリーニングや単離精製などが簡便になし得る。
勿論、この方法は「キナーゼ活性」ばかりではなく、ATPを分解するミオシンやHSP (熱ショック蛋白) などの「ATPase活性」の測定にも利用できる。
詳しくは、下記のインターネット欄を参照されたし:
この蛍光定量法は元来、2008年頃、中国の蘇州(上海の近郊) の「Genewiz」の研究者によって発明されたもので、その特許を米国のバイオテック会社「Promega」が買い取り、製品化したものである。
http://www.google.com.ar/patents/US8420341
PCRやGFPとほぼ同等の極めて有用な生化学的技術の発明であり、ノーベル賞はともかく、(将来) 少なくとも「ラスカー医学賞」あるいは「京都賞」(稲盛財団) には価いすると私は思う。
「日中友好」推進という観点からも、特にこの中国人発明家を「京都賞」候補として率先して推薦したい。
参考文献:
http://www.google.com.ar/patents/US8420341
「日中友好」推進という観点からも、特にこの中国人発明家を「京都賞」候補として率先して推薦したい。
参考文献:
Zegzouti H,
Zdanovskaia M,
Hsiao K,
Goueli SA.
ADP-Glo: A Bioluminescent and homogeneous ADP
monitoring assay for kinases.
Assay Drug Dev Technol. 2009 ; 7:560-72.
Li H,
Totoritis RD,
Lor LA,
Schwartz B,
et al.
Evaluation of an antibody-free ADP detection assay: ADP-Glo.
Assay Drug Dev Technol. 2009 ;7 :598-605.
Evaluation of an antibody-free ADP detection assay: ADP-Glo.
Assay Drug Dev Technol. 2009 ;7 :598-605.
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