人々の “健康促進” のために!

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2015年春、沖縄の琉球大学キャンパス内 (産学共同研究棟) に立ち上げた “PAK研究センター” の発足メンバー(左から4人目が、所長の多和田真吉名誉教授)
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2014年12月2日火曜日

「ADPーGlo」: 「ホタルの光」 (蛍光) を駆使した (最新の) キナーゼ活性の定量法



最近、キナーゼ活性を測定 (定量) するのに、従来の「放射性アイソトープ」の代わりに「ホタルの光 (蛍光) を利用した「ADPーGlo」と呼ばれるキナーゼ定量セット (Promega から発売) が研究室で流行している。 その原理をごく簡単に解説すると、次のようになる。

キナーゼにより蛋白が燐酸化されると、基質のATPが分解されて、ADPになる。この蛍光法は、生成したADPの量を定量する。 特殊な試薬で、まず残ったATPを除いた後、ADPを燐酸化してATPの形に戻し、ホタル由来の蛍光源「ルシフェリン」と酵素「ルシフェラーゼ」を利用して、蛍光を発する仕組みである。 この蛍光反応はATPの量に正比例する。

逆に、この蛍光定量法に多少の改良を加えて、PAKなどの"発癌キナーゼ" を阻害する化合物 (あるいはその阻害活性を強化する新規な酵素、例えば「STOHase」など) のスクリーニングや単離精製などが簡便になし得る。

勿論、この方法は「キナーゼ活性」ばかりではなく、ATPを分解するミオシンやHSP (熱ショック蛋白) などの「ATPase活性」の測定にも利用できる。

詳しくは、下記のインターネット欄を参照されたし:

この蛍光定量法は元来、2008年頃、中国の蘇州(上海の近郊) の「Genewiz」の研究者によって発明されたもので、その特許を米国のバイオテック会社「Promega」が買い取り、製品化したものである。 
http://www.google.com.ar/patents/US8420341

PCRやGFPとほぼ同等の極めて有用な生化学的技術の発明であり、ノーベル賞はともかく、(将来) 少なくとも「ラスカー医学賞」あるいは「京都賞」(稲盛財団) には価いすると私は思う。
「日中友好」推進という観点からも、特にこの中国人発明家を「京都賞」候補として率先して推薦したい。

参考文献:
Zegzouti H, Zdanovskaia M, Hsiao K, Goueli SA.
ADP-Glo: A Bioluminescent and homogeneous ADP monitoring assay for kinases.
Assay Drug Dev Technol. 2009 ; 7:560-72.

Li H, Totoritis RD, Lor LA, Schwartz B, et al. 
Evaluation of an antibody-free ADP detection assay: ADP-Glo.  
Assay Drug Dev Technol. 2009 ;7 :598-605.

 

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