私には、米国の有名な政治家を「愚者」扱いできるような身分も資格も全くないが、我々日本人と非常に深い関係があったアメリカの政治家 3人をここで比較してみよう。この3人の政治家の中で、手放しに「賢者」と呼べるのは、フランクリン=ルーズベルト大統領(FDR)であろう。皮肉にも、彼は太平洋戦争中、敵国の指導者であった。ナチスドイツが原爆を作る前に、米国で原爆を開発する計画 (マンハッタン計画) を秘密裏に許可したが、結局それが完成する前に、脳卒中で急死した。それはドイツが降伏する直前だった。もし、彼が降伏時まで生きていたら、決して、ドイツにも日本にも原爆を投下するような愚かな真似はしなかっただろうと言われている。そういう意味で、"車椅子の大統領" FDRは3人の政治家の中で「賢者」に属する。 詳しくは、最近出版された邦訳「フランクリン=ルーズベルト: (上)日米開戦への道」(中央公論)を参照されたし。
さて、FDRの死後、棚ぼた式に大統領に昇格したのが、(無能な)副大統領だったハリー=トルーマンである。彼は自分の権力を世界中に誇示せんがために、降伏しかかっていた(言わば無抵抗の)日本に、出来立ての原爆を2発落した。だから、彼は「愚者」である。しかしながら、彼も賢者になる機会を朝鮮戦争でからくも得た。敗戦後の日本を統治したのは、太平洋戦争の勝者ダグラス=マッカーサー司令官であった。彼は昭和天皇を巧みに操縦して、戦後の日本を2000日間、無血で治めた。戦後の日本に貴重な「民主的な平和憲法」を残したのも彼である。そういう意味で彼も「賢者」だった。ところが朝鮮戦争が勃発すると、北朝鮮をバックアップする中国人民軍に戦場でひどく悩まされ、とうとう原爆を使用しようと言い出した。彼も老いばれて、とうとう「愚者」になり下がった。ビックリしたトルーマン大統領がマッカーサーを即時罷免して、大事(原爆投下という「悪夢」の再現)には至らなかった。こうして、愚者だったトルーマンが束の間にせよ「賢者」としても記憶されるチャンスを得た。
実は、1949年8月末にソ連が初めての原爆実験に成功していた。もし、米国が原爆を中国に対して使用すれば、同盟国のソ連から原爆を積んだミサイルが報復手段として発射される可能性があることをトルーマンは十分周知していた! しかし、トルーマンは表では「賢者」の顔を装いながら、実はソ連の原爆実験直後、米国の水爆開発を影で指令していた。そして、彼の任期の最後(花道)を飾るようにして、1952年11月初めに、米国は初の水爆実験に成功した。 トルーマンは (ソ連のスターリンと同様) 「核中」になっていた! 詳しくは、Stephanie Cooke 著「In Mortal Hands」(2009年) を参照されたし。 トルーマンの引退後、大統領になった「アイク」(アイゼンハワー) はナチスドイツを見事に降伏させた将軍であるが、「日本の降伏にも原爆は必要なかった」 とハッキリ証言している。アイクは (FDR同様) 「賢者」だった。
私自身の筆法に従えば、核兵器や(当てにならぬ) 原発 に頼る人間は (「アル中」同様 ) 「愚者」であり、炭酸ガスや放射能を発生せぬ太陽光、水力、風力などのエネルギーを駆使しようと努力する人間を「賢者」と呼びたい。 総選挙では、ぜひ「賢者」に投票することを心からお勧めしたい! 大企業優先の「アベノミクス」や「憲法改正」など「愚者の戯言」に過ぎない。 沖縄を米軍基地から解放せよ!
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