人々の “健康促進” のために!

人々の “健康促進” のために!
2015年春、沖縄の琉球大学キャンパス内 (産学共同研究棟) に立ち上げた “PAK研究センター” の発足メンバー(左から4人目が、所長の多和田真吉名誉教授)
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2014年3月13日木曜日

沖縄「ハイビスカス」の美白 (PAK遮断) 作用

「沖縄の花」といえば、まず頭に浮かぶのが、色とりどりのハイビスカスの花であろう。
実は豪州メルボルンの我が家の庭にも、3種類ほどのハイビスカスが春秋に
美しい花を咲かせる。このハイビスカスの花にはアントシア二ンが豊富に含まれて
いることが昔から知られている。面白いことには、ガラパゴス生まれで豪州ブリスベーンの
動物園に長らく飼われていた世界最長寿 (175才、1830-2005) のゾウガメ「ハリエッタ」の
好物はハイビスカスの花だった。そこで、ハイビスカスのアントシア二ンと健康長寿との
関係を探るため、ハイビスカスの薬理作用について調べてみた。

最初に見つかったのは、その美白作用だった。つまり、メラニン色素の生合成を
抑える働きである。前述したが、メラニン合成に必要な酵素「チロシナーゼ」遺伝子の
発現には、発癌/老化酵素「PAK」が必須である。ハイビスカスのアントシア二ンは、
「チロシナーゼ」遺伝子の発現を抑える(1)。 従って、ハイビスカスはPAKを
遮断している可能性が高い、実際、その通りだった。ハイビスカスには、その他
抗癌作用、抗炎症作用、糖尿病や高血圧などを癒す作用もある。これらの
薬理作用は全て、PAK遮断剤の典型的な特徴である。

PAK遮断剤 (ハーブ) には、寿命を延ばす働きもある。そこで、ゾウガメ「ハリエッタ」が
長生きした理由の一つが、好物のハイビスカスだったと類推するのは、妥当だろう。
従って、沖縄住民の長寿には、前述したゴーヤ、ゲットウばかりではなくハイビスカスも
いくらか寄与している可能性がある。 

参考文献: 

  1. Hwang JM, Kuo HC, Lin CT, Kao ES. Inhibitory effect of liposome-encapsulated anthocyanin on melanogenesis in human melanocytes. Pharm Biol. 2013 51: 941-7.

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