実は豪州メルボルンの我が家の庭にも、3種類ほどのハイビスカスが春秋に
美しい花を咲かせる。このハイビスカスの花にはアントシア二ンが豊富に含まれて
いることが昔から知られている。面白いことには、ガラパゴス生まれで豪州ブリスベーンの
動物園に長らく飼われていた世界最長寿 (175才、1830-2005) のゾウガメ「ハリエッタ」の
好物はハイビスカスの花だった。そこで、ハイビスカスのアントシア二ンと健康長寿との
関係を探るため、ハイビスカスの薬理作用について調べてみた。
最初に見つかったのは、その美白作用だった。つまり、メラニン色素の生合成を
抑える働きである。前述したが、メラニン合成に必要な酵素「チロシナーゼ」遺伝子の
発現には、発癌/老化酵素「PAK」が必須である。ハイビスカスのアントシア二ンは、
「チロシナーゼ」遺伝子の発現を抑える(1)。 従って、ハイビスカスはPAKを
遮断している可能性が高い、実際、その通りだった。ハイビスカスには、その他
抗癌作用、抗炎症作用、糖尿病や高血圧などを癒す作用もある。これらの
薬理作用は全て、PAK遮断剤の典型的な特徴である。
PAK遮断剤 (ハーブ) には、寿命を延ばす働きもある。そこで、ゾウガメ「ハリエッタ」が
長生きした理由の一つが、好物のハイビスカスだったと類推するのは、妥当だろう。
従って、沖縄住民の長寿には、前述したゴーヤ、ゲットウばかりではなくハイビスカスも
いくらか寄与している可能性がある。
参考文献:
- Hwang JM, Kuo HC, Lin CT, Kao ES. Inhibitory effect of liposome-encapsulated anthocyanin on melanogenesis in human melanocytes. Pharm Biol. 2013 51: 941-7.
0 件のコメント:
コメントを投稿