最近、発癌/老化酵素「PAK」の異常によって発生する各種の難病に関する単行本の執筆中に気がついたことが一つある。 病名に関するいわゆる「差別用語」の問題である。 精神病の一種で「Schizophrenia」と呼ばれる病気がある。 スイスの精神科医オイゲン・ブロイラー(1857-1939) は、1911年の著書で初めて「精神機能の特徴的な分裂」症状を Schizo(分裂)Phrenia(精神病)と定義した。日本では、この病気に対して、1937年以来ずっと「精神分裂症」という病名が使用されていた。 ところが、私の知人から、「精神分裂症」は差別用語だから、もう使用できないという指摘があった。 そこで、現在はどんな病名になっているのかと訊いてみたところ、なんと「統合失調症」という病名が2002年から使用されているという。 残念ながら、この新しい病名には、何が一体失調しているのか、という明確な説明が全く欠けている。 統合とは一体なんぞや? 私にいわせれば、この新しい「非差別用語」は全く無意味に聞こえる。 分裂という言葉が差別用語なら、「精神失調症」ではどうだろうか? あるいはもっとズバリ、「シゾフレ」病ではどうだろうか? 頭が多少「フレテいる」感じが出ていると思う。 英語の病名「シゾフレニア」の最初の4字を取ったものである。 テレビジョンの略称「テレビ」に相当する。 実際、シゾフレ(分裂)気質とメランコ(躁鬱)気質という言葉は既に、日本語として定着しつつあるようだ。 (欧米における)最近の研究によれば、シゾフレもメランコもPAKを遮断するプロポリスなどのハーブ類で治療しうることが判明している。
戦前あるいは敗戦直後、栄養失調の子供たちの間で「肺病」という伝染病が流行した。 私自身もそれにかかって、半年ほど休学した。幸い、特効薬「PAS」のおかげで命拾いをした。 肺病は「肺結核」の略称である。特効薬「PAS」が開発されるまで、肺病患者は、周囲の社会から差別を受けた。 癩(ハンセン氏) 病患者も同様だ。 病気の特効薬が開発されると、患者は差別されなくなる。従って、「シゾフレ」(精神分裂) 病の場合も、特効薬を開発することが先決で、わけもわからぬ「非差別用語」を編み出しても、問題の本質的な解決には全くならない!
一番卑近な例が国鉄の駅にあった「便所」だ。 経営者がJRに変って、「トイレ」という名に入れ替わった。しかし、相変わらず「臭い!」。 まともに掃除しないからだ。 名前は便所のままでも、こまめに清掃をすれば、あの悪臭はなくなる!
映画 「A Beautiful Mind」(2001年) の主人公、ジョン・ナッシュ教授は 数学の天才だった。不幸にして、長らくシゾフレ病に苦しんだが、ついに病気から回復してまもない1994年に、ノーベル経済学賞をもらった。 「万有引力の法則」の発見者、英国の数学/物理学の天才、アイザック・ニュートンも50才前後に、この精神病にしばらくかかっていたといわれている。
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