10年ほど昔、日本の大学の薬学部を4年制から6年制にすることの是非論がたたかわされた末、結論として、2006年から6年制の薬学部(薬科大学)が軒並み発足した。 しかしながら、6年制の薬学はより高度な知識をもつ「薬剤師」の養成には多少益になっても、(欧米にずっと遅れを取る) 日本の「創薬」の専門家を養成する目的には、害あって益なしである。
そこで、我々は、(琉球) 大学に薬学部がない、あるいは薬科大学が全く存在しない沖縄の地に、最先端の創薬研究をめざす総合的なモデル国際研究所を設立する計画を立てつつある。 この研究所は、癌や認知症など様々な難病や老化現象の共通元凶になっている悪玉酵素 「PAK」 を遮断する薬剤を主に開発/同定する研究に焦点を絞るもので、「PAK総研」 と呼称する。 OIST (沖縄科学技術大学院) と同様、英語を公用語とする国際研究所で、研究スタッフの半分は海外から公募する計画である。 その主な理由は、PAKに関する研究は従来、日本国内ではほとんどなく、欧米、豪州、シンガポールがその中心であるからである。
OISTとの根本的な違いは、いわゆる「象牙の塔」ではないことである。 種々の難病の予防/治療に直接寄与し、さらに美白や健康長寿をもたらす安全かつ安価なPAK遮断剤を沖縄特産のハーブ類 (例えば、ゴーヤ、ゲットウ、ハイビスカス、ギンネム、オオバキなど) から同定、開発することによって、地元沖縄の産業を促進するばかりではなく、「長寿県」沖縄の住民をさらに健康に長生きできるようにすることをめざしている。
従って、主に厚生省や製薬業界、化粧品業界、健康食品業界などからの共同出資によって、研究所の運営費をまかなう方針である。 この企画実現への 「一里塚」 として、今夏 6月23日(月)に沖縄で 「PAKを遮断するハーブ類を中心にした」 最初の創薬シンポジウムを開催する計画を目下、琉球大学の有志と共同で練りつつある。
続く
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