1950年代初期以来、ドーパミン遮断剤「クロルプロマジン」(CPZ)が統合失調症(Schizophrenia) の治療薬として、長らく使用されてきた。 しかしながら、CPZにはパーキンソン氏病症状 (手足の痙攣) や横隔膜の痙攣 など、いくつかの副作用が生じることが知られている。
面白いことには、ごく最近になって、CPZには (プロポリスなどのPAK遮断剤と同様) 抗癌作用や抗マラリア作用もあることが判明した。 更にそのメカニズムを詳しく調べるうちに、CPZ がp21(=CDK阻害蛋白) 遺伝子を活性化することが、2、3年前に韓国の研究グループによって確認された(1)。
これら一連の性質はPAK遮断剤に共通する薬効である。 従って、CPZが実はPAKを遮断することによって、統合失調症を抑えている可能性が非常に高い。 言い換えれば、ドーパミン受容体を阻害せず(副作用なし!)にPAKを遮断するハーブ類 (例えば、プロポリスなど) の方が、統合失調症の治療により適していると考えられる。
参考文献:
1。Shin SY, Kim CG, Kim SH, Kim YS, et al. Chlorpromazine (CPZ) activates p21Waf1/Cip1 gene transcription via early growth response-1 (Egr-1) in C6 glioma cells. Exp Mol Med. 2010 ; 42: 395-405.
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