人々の “健康促進” のために!

人々の “健康促進” のために!
2015年春、沖縄の琉球大学キャンパス内 (産学共同研究棟) に立ち上げた “PAK研究センター” の発足メンバー(左から4人目が、所長の多和田真吉名誉教授)
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2009年1月3日土曜日

納豆菌が生産する「抗癌」ビタミン 「K2 」 (メナキノン-7)

アルピニストなら「K2 」と言えば、ヒマラヤ山脈にあるエベレストに次ぐ世界第
二の高山 (海抜 8611メートル) をすぐ想起するだろう。山頂が鋭く切り立っ
たこの山の登頂はエベレストよりもテクニカルにずっと困難で、1954年(エ
ベレスト征服の翌年)にイタリヤ遠征隊によって、初めて征服された。

さて、もう1つ我々にとって興味深い 「K2 」がこの世に存在する。 それは、
我々日本人の日常生活に大変身近な (なじみ深い) ビタミンの一種である。

納豆には抗癌作用を持つビタミン 「K2」 (化学名メナキノン-7) がタップリ含れ
ている。その理由は、(大豆を発酵させて納豆を作る) 「納豆菌」がそれをせっせ
と生産するからである。さて実際に、どの位含れているのかを知りたいわけだが、
例えば、あなたが食べている納豆には、ビタミンK2の含量の表示がありますか?

参考までに、国立健康栄養研からの情報を紹介すれば、例えば、 糸ひき納豆には、
870 micro g/100 g、 ひき割り納豆には、1300 micro g/100 g も含れている。

http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail17.html

さて、次に我々が知りたいのは、毎日どれぐらいの量の納豆を食べたら、あるい
はビタミンK2を摂取したら、癌の予防あるいは治療効果があるかを算出できる具体的な
動物実験データである。目下文献で調査中なので、しばらくお待ち下さい!


ビタミンK2の抗癌作用メカニズム?

最近の色々な研究結果をまとめてみてわかったことは、どうやらビタミンK2も、
面白いことには、抗癌性のキナーゼ「PAK」を遮断しているらしいということ
である。 まず、サイクリンD1 の発現を抑えると共に、p21 (CDK 阻害蛋白)
の発現を高め、、癌細胞の分裂を抑える。 さらに、細胞死ももたらす。固形癌の
増殖に必要な血管新生ばかりではなく、癌の転移も抑える。

これらの一連の作用は、「PAK」遮断剤と非常に良く似ている。さらに、ビタミンK2は、
「PAK」依存性の癌であるすいぞう癌や卵巣癌の増殖を選択的に抑えるが、正常な
細胞の増殖には全く影響を及ぼさない。将来チャンスがあったら、ビタミンK2が実際に
「PAK」を遮断していることを確かめてみたい。


納豆は、喘息などのアレルギー症にも効く!

http://www.takenokoshinryojo.com/soudan/index5-6.htm

喘息を抑えるのは納豆中のメナキノンー7である。1975年ごろ、岡山大学医学
部第二内科の高橋 清らの研究結果によれば、このビタミンK2による一年間以上
の治療 (治験) によって、喘息患者の大部分が「喘息持ち」から解放されたそう
である (発作を即座に止めるというのではなく、発作を予防する)。

さて、メナキノンー7が喘息を抑える分子メカニズムらしいものが、この正月明
けに判明した。実は、喘息は気管支にアレルギー性の炎症を起こることによるわ
けだが、この炎症 (発作) には、マスト (肥満) 細胞が脱顆粒し、ヒスタミンな
どが放出されることが必要である。このマスト細胞の機能には、なんと「PAK」
が必須であることが、米国のインディアナ大学の小児科医ウエード・クラップの
研究室によって、直接 (動物実験で) 証明された (詳しくは、下記の論文要旨を
参照されたし)。

前述したが、PAK遮断剤「FK228」により、動物の喘息症状やリュウマチ性
関節炎が抑えられることが既に確認されている。

逆にいえば、メナキノンー7が「PAK」遮断剤であることを、間接的に裏付け
ているわけだ。こうして、「納豆はPAK遮断剤である」という我が自説に、さ
らなる自信を深めた! あとは実験で直接証明するだけだ。。。

Blood. 2009 Jan 5.

PAK1 regulates mast cell degranulation via effects on calcium mobilization
and cytoskeletal dynamics.


Allen JD, Jaffer ZM, Park SJ, Burgin S, Hofmann C, Sells MA, Chen S, Derr-Yellin
E, Michels EG, McDaniel A, Bessler WK, Ingram DA, Atkinson SJ, Travers JB,
Chernoff J, Clapp DW.

Department of Pediatrics, Indiana University School of Medicine, Indianapolis,
IN, United States.

Mast cells are key participants in allergic diseases via activation of high
affinity IgE receptors (FcepsilonRI) resulting in release of pro-inflammatory
mediators. The biochemical pathways linking IgE activation to calcium influx
and cytoskeletal changes required for intracellular granule release are
incompletely understood.

We demonstrate, genetically, that PAK1 is required for this process. In
a passive cutaneous anaphylaxis experiment, W(sh)/W(sh) mast cell-deficient
mice locally reconstituted with PAK1(-/-) bone marrow-derived mast cells
(BMMCs) experienced strikingly decreased allergen-induced vascular permeability
as compared to controls. Consistent with the in vivo phenotype, PAK1(-/-)
bone marrow-derived mast cells (BMMCs) exhibited a reduction in FcepsilonRI-induced
degranulation.

Further, PAK1(-/-) BMMCs demonstrated diminished calcium mobilization and
altered depolymerization of cortical filamentous actin (F-actin) in response
to FcepsilonRI stimulation. These data implicate PAK1 as an essential molecular
target for modulating acute mast cell responses that contribute to allergic
diseases.


納豆は「家庭でも」容易に手作りが可能!

材料として、煮た大豆と(煮沸した) 稲藁があれば、中学生にでもできる。
(耐熱性の「納豆菌」は、藁に棲息している)。
だから、「納豆屋」さんの存在しない「海外」でも手作りが可能!
早速、実験をしてみよう。詳しくは、下記のネット欄を参照されたし:

http://www.aichi-c.ed.jp/contents/rika/syotou/syo10/nattou/nattou.htm


Methods for Making "Natto" in North America:

http://www.gaia21.net/natto/making.htm

続く

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