人々の “健康促進” のために!

人々の “健康促進” のために!
2015年春、沖縄の琉球大学キャンパス内 (産学共同研究棟) に立ち上げた “PAK研究センター” の発足メンバー(左から4人目が、所長の多和田真吉名誉教授)
For detail, click the above image.

2015年2月24日火曜日

プロポリス新製品 「Bio3プラス」 を企画中!


ニュージーランド (NZ)特産プロポリス「Bio30」は、過去数年間の治験で (末期スイゾウ癌などの) 重症癌患者やNF患者の治療へ好評を博した。しかし、今まで日本国内での販売代理店がなく、患者はNZにある製造元「マヌカヘルス社」から英語で注文、あるいはオークランドにある唯一の日本語代理店「ナチュラルshop NZ」から高価な商品を輸入せざるを得なかった。  

そこで、日本国内のプロポリス利用者のために、沖縄 (琉球大学構内) に今春新設する「PAK研究センター」内に、「Bio30」の輸入販売を扱う事務所を設ける計画を目下練っている。この計画が軌道に乗った暁には、独自の新製品「Bio3プラス」の開発を進めようと思っている。

この新製品には、従来の液体「Bio30」に3種類の天然成分をプラスして、治療効果を増強する工夫をこらす計画である。先ずガンマーシクロデキストリン(CD)で水に難溶なCAPEなどのプロポリス成分を包接して、腸管吸収を高めるばかりではなく、「カプセル化」して飲み易くする。 

更に、2種類の天然PAK1遮断剤を添加する。一つはローズマリー葉由来の「ウルソール酸」(UA)もう一つは沖縄特産「ゴーヤ」由来のトリテルペン「ククルビタシン」である。プロポリスの抗癌主成分「CAPE」は (PAK1の活性化に必須な) G蛋白「RAC」を直接阻害する。 UA」は (PAK1の活性化に必須な) チロシンキナーゼ「JAK2」を直接阻害する。従って、両者を合わせると、いわゆる武蔵の「二刀流」になる。

更に、(前述したが)「ククルビタシン」はこの両者の機能を独りで合わせ持つ「ウルトラマン」である。というわけで、新製品「Bio3プラス」は、文字通り「鬼に金棒」である。

2015年2月23日月曜日

苦瓜 (ゴーヤ /ヘチマ) 由来の 「ククルビタシン」 は強力なPAK1遮断剤
(膵臓癌を治したかったら、毎日一食 “ゴーヤチャンプル” を食べろ!)


苦瓜 (ゴーヤやヘチマ) 由来のトリテルペン類に、糖尿病に効く成分があることはかなり以前から広く知られていたが、その中で「ククルビタシン」と呼ばれる成分には抗癌作用もあることが数年前に、明らかになった。その抗癌メカニズムの一つは、PAK1の活性化に必須なチロシンキナーゼ「JAK2」を直接阻害することにある (1)

ところがつい最近、もう一つの抗癌メカニズムが米国のペンシルバニア大学の研究グループによって解明された (2) PAK1の活性化に必須な「RAC」というG蛋白の活性化を阻害するというメカニズムである。 この (2番目の)メカニズムはプロポリス中の「CAPE」と全く同じメカニズムである。ククルビタシンの抗癌作用は、(RACとJAK2を同時に抑える) 「二刀流」なので、「CAPE」の (一刀流) 抗癌作用よりもずっと強い。 従って、この天然PAK遮断剤「ククルビタシン」は、将来有望な医薬となる可能性がある。

「ククルビタシン」の生合成経路に関与する遺伝子 (Bi & Bt) に関する記事 (人民網の邦訳):  http://j.people.com.cn/n/2014/1201/c95952-8816423.html

さて、この化合物が医薬として市販されるには、あと10年くらいはかかるだろう。それまでは、取り敢えず、健康長寿をめざして、既に市販されている「ゴーヤ茶」を試してみることをお勧めする。抗癌作用ばかりではなく、血糖値や血圧を下げ、認知症に伴う記憶喪失を遅らしたり、肌の美白にも役立つはずである。

動物(マウス]実験によれば、膵臓癌を治療するのに有効なククルビタシンの投与量は毎日、体重kg当たり1 mgである。ということは、体重50 kgの人は、毎日、最低50mgは必要になる。 ゴーヤ中のククルビタシン含量は、約1 mg/g であるから,毎日 ゴーヤを50g食べ続ければ、膵臓癌などから解放される理屈である。試みに沖縄で早速、“ゴーヤチャンプル”という料理をごちそうになった。一食でゴーヤの量は優に50gは超えていた。副作用はもちろんなかった !

"ゴーヤチャンプル” のレシピ:
http://www.kikkoman.co.jp/homecook/search/recipe.html?numb=00002617
沖縄では豚肉料理が多いが(個人の好みに合わせて)豚肉の代わりに、鶏肉や魚肉などを使用
しても良かろう(チャンプル・魚チャンプル)琉球・沖縄語“ちゃんぷる”は日本語の“チャンポン”と同意語で、その語源はインドネシア・マレー語の”Campur " だそうだ。“まぜご飯”[チャーハン]の意味である。琉球の食文化が“南方起源”であることがわかる。

参考文献: 
1. Iwanski GB, Lee DH, En-Gal S, Doan NB, et al. Cucurbitacin B, a novel in vivo potentiator of gemcitabine with low toxicity in the treatment of pancreatic cancer. Br J Pharmacol. 2010, 160: 998-1007.

2. Lopez-Haber C, Kazanietz MG. Cucurbitacin I inhibits Rac1 activation in breast cancer cells by a reactive oxygen species-mediated mechanism and independently of Janus tyrosine kinase 2 and P-Rex1. Mol Pharmacol. 2013 ; 83: 1141-54.

2015年2月20日金曜日

PAK遮断剤 「CAPE」 に類似した桂皮酸 フェネチルエステル や 「AG490」 誘導体



3、4ージヒドロキシ桂皮酸 フェネチルエステルは PAK1遮断剤「CAPE」(コーヒー酸 フェネチルエステル)と化学構造が良く似ている。両者の間の唯一の違いは、2つのベンゼン環をつなぐ側鎖(架橋)の長さに関して、CAPEの方がC(炭素) 一個分だけ長いだけである。さて、韓国では、日本や中国以上に、美白クリーム/化粧品の開発研究が非常に盛んであることは前述したが、その韓国で数年前に、この桂皮酸誘導体に関して、大変面白い発見があった (1)。メラノーマ細胞を使って、メラニン色素合成を抑える合成化合物をいくつかスクリーニングしている中に、その美白作用が「CAPE」より50倍以上強い桂皮酸誘導体 (IC50=4 micro M)を見つけた。その化合物は、3、4ージヒドロキシ桂皮酸 フェネチルエステルの(2番目の)フェニル基の4位(パラ位)にメトキシ(OMe)が付加した化合物である。CAPEと基本構造が良く似ているから、(まだ証明はないが) 恐らくPAK1遮断作用によって、メラニン色素合成を抑えているものと思れる。従って、この化合物の抗癌作用を近い将来、調べてみる価値は十分あると私は確信している。更に、(2番目の)フェニル基にヘキシルアミノ基などを付加し、水溶性および細胞膜透過性を増強することができれば、癌やNFの治療にも有効な医薬の開発にも貢献しうるだろう。 

更に興味深いことがわかった。PAK1の活性化にはJAK2と呼ばれるチロシンキナーゼが必須であることを前述したが、このキナーゼの阻害剤「AG490」は上記の3、4ージヒドロキシ桂皮酸 フェネチルエステルとも化学構造が良く似ているばかりではなく、架橋の長さも同じである。ところが、2、3年前に 「AG490」 の誘導体で、阻害活性が50倍高いPAK1遮断剤 「WP1130」 (Degrasyn) が米国ミシガン大学で開発された (2)。 

References:
1).Kim KD., Song, MH., Yum, EK et al. 2,4-dihydroxycinnamic esters as skin depigmenting agents. Bull Korean Chem Soc. 2009, 30, 1619-21.
2).Kapuria V1, Levitzki A, Bornmann WG, et al. A novel small molecule deubiquitinase inhibitor blocks Jak2 signaling through Jak2 ubiquitination.
Cell Signal. 2011, 23: 2076-85.