人々の “健康促進” のために!

人々の “健康促進” のために!
2015年春、沖縄の琉球大学キャンパス内 (産学共同研究棟) に立ち上げた “PAK研究センター” の発足メンバー(左から4人目が、所長の多和田真吉名誉教授)
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2015年2月7日土曜日

天然PAK遮断剤 「ウルソール酸」 誘導体の合成などに貢献した
カナダの有機化学者 Mohsen Daneshtalab 教授 (1945-2014) の死を悼む

ローズマリーやびわの葉、あるいはリンゴの皮に多く含まれているトリテルペン系のカルボン酸「ウルソール酸」がPAK遮断剤であることは前述した。PAKの活性化に必須である「JAK2」というチロシンキナーゼを直接に阻害することによって、PAKを遮断する。「リンゴを毎日皮ごと食べると医者にかからなくて済む (健康長寿を達成できる) という諺の科学的由来はここにある。

Korea University (Seoul) の研究者によれば、「ウルソール酸」はアセチルコリン分解酵素 (AChE) 阻害剤でもあり、認知症にかかったネズミの記憶を回復させる機能もあるそうである (1)。つまり、リンゴを皮ごと食べると頭脳明晰になり、受験生の「大学入試への成功率」も高まる可能性あり!!  

さて、実際問題としては、この天然物は酸性なので、(同様に酸性な燐脂質からなる) 細胞膜を通過し難いので、薬理作用が弱く、臨床薬(あるいは「頭の良くなる薬」)としては、市販されていないが、健康な肌、美白効果を狙った化粧品に広く利用されている。  


そこで、10年ほど昔、「ウルソール酸」の欠点を解消するために、北京大学の蔡少青 教授らとカナダのニューファンドランド大学薬学部のMohsen Daneshtalab 教授(イランのテヘラン生まれで、日本人女性と国際結婚、「Dr。D 」という愛称で同僚から親しれている)は、この天然物の3位にアミノ基を導入して、よりアルカリ性にすることによって、薬理作用を20倍に上げることに成功した(2)。これは画期的な発明である!

この論文の要旨を偶々PUBMEDで最近見つけて、早速メールで論文請求をしたところ、「Dr。D 」は昨年他界したという返事(メール)が舞い戻ってきた。「Dr。D 」の冥福を心から祈る! 

参考文献:
  1. Chung YK, Heo HJ, Kim EK, Kim HK, et al. Inhibitory effect of ursolic acid purified from Origanum majorana L on the acetylcholinesterase. Mol Cells. 11: 137-43 (2001).
  2. Ma CM, Cai SQ, Cui JR, Wang RQ, Tu PF, Hattori M, Daneshtalab M. The cytotoxic activity of ursolic acid derivatives. Eur J Med Chem. 40 : 582-9 (2005).

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