人々の “健康促進” のために!

人々の “健康促進” のために!
2015年春、沖縄の琉球大学キャンパス内 (産学共同研究棟) に立ち上げた “PAK研究センター” の発足メンバー(左から4人目が、所長の多和田真吉名誉教授)
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2015年7月4日土曜日

胎盤形成に必須な遺伝子PEG10: ウイルス起源、発がん性、免疫抑制

東京医科歯科大学の石野教授夫妻によって、10年以上前に発見された“PEG10”と呼ばれる遺伝子は、ほ乳類の胎盤(へそのう)形成に必要な遺伝子であるが、その起源を探ってみると、“ある[発がん性の]レトロウイルスからの ”トランスポゾン“ の一種である”ことを、最近(“生物の進化”を扱うNHKテレビ番組で)から学んで、いささか驚いた。
 
PEG10には、発がん性があると共に、(“異物”である胎児を受け入れるために)母体の免疫能を一時的に抑える作用もある。さて、その遺伝子産物(つまり“Syncytin” と呼ばれる蛋白)は、一体どんな機能を持っているのだろうか? この蛋白は、ウイルス(HERV-W の膜蛋白”ENV に由来し、本来は、ウイルスの外膜を、宿主の細胞膜と融合させることによって、ウイルスの細胞内への侵入を助ける役割を果たしている。妊娠した母体では、胎児の尿管由来のへそと母体の子宮組織を融合して(栄養や酸素補給のための)胎盤を形成する役割を果たす。
 
哺乳類でありながら、体外に産卵する ”カモノハシ“ には、鳥類や魚類と同様、PEG10 遺伝子が存在しない。

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