人々の “健康促進” のために!

人々の “健康促進” のために!
2015年春、沖縄の琉球大学キャンパス内 (産学共同研究棟) に立ち上げた “PAK研究センター” の発足メンバー(左から4人目が、所長の多和田真吉名誉教授)
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2016年5月21日土曜日

“でいご会” とは: 医学部学生の死体解剖用に検体 [死体] を提供する人々の会!


今朝、琉球大学の千原キャンパス内を散歩していると、生協の中央食堂の前に、“でいご会”という集会が開催されていた。 割合高年齢の人々が参加者の大部分であった。そこで、私の第一印象は、この会は、おそらく琉球大学の同窓会だろうと思った。 実は、琉球大学(元々は米国ミシガン大学の沖縄分校) が、(沖縄の日本復帰以後に)首里城キャンパスから、現在の西原キャンパス(医学部)と千原キャンパス(医学部以外の学部)に移転した時、構内全体に、“でいご” と呼ばれる沖縄特産の亜熱帯樹木を植樹したからだ。

しかし、この推量は、見事に外れた! 集会の受付を担当している学生に聞いてみると、”でいご会“とは、琉球大学医学部の学生の死体解剖用に検体[死体]を提供希望する人々の会とのこと! 道理で高齢者が多いはずである。

 
入会申込書を見ると、下記のように書かれている。

でいご会に入会されても何の特典もありません。一方、会費などは一切必要ありません。
「琉球大学でいご会」の会員は、天寿を全うした後自己の遺体を解剖学教育の為に無償で琉球大学医学部に献体するのです。
 

 
私が半世紀昔、東京の薬学部学生であったころ、選択で人体の死体解剖学の実習があった。 検体は、医学部から提供され、一グループ(学生数人)当たり、一体があてがわれた。 我々が解剖した死体は、喫煙者 [50歳前後の男性] だった。 通常、健康な肺臓は、ピンク色をしている (隣のグループが解剖していた女性の肺は、美しいピンク色だった)。 ところが、この検体の肺は両方とも、タールで真っ黒だった!全員が、大きなショックを受けた。死因は不明だったが、恐らく肺炎か癌で死んだのだろう。 面白いことには、その検体を解剖した我々のグループで、その後喫煙を始める者は皆無だった! 私自身は、肺がんなどに効く (副作用のない) 新しい抗がん剤を将来開発する決心をした。

 
私自身が献体できる時期は、まだかなり先である。20年くらい先だろう。 しかし、死んだとき、新鮮な臓器を提供するか、あるいは解剖用に献体すべきか、まだ決めていない。 少なくとも、私の肺が、ピンク色であることだけは、今から保証できる。

 

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