人々の “健康促進” のために!

人々の “健康促進” のために!
2015年春、沖縄の琉球大学キャンパス内 (産学共同研究棟) に立ち上げた “PAK研究センター” の発足メンバー(左から4人目が、所長の多和田真吉名誉教授)
For detail, click the above image.

2011年3月13日日曜日

癌やNF治療における「前向き」姿勢の薬効:
脳内に分泌される2、3の抗癌性ホルモン例

病気とは(もちろん「物理的な病」であると共に)文字通り「気の病」でもある。
癌やNFなどの難病にも、「気の病」的要素が十分ある。いいかえれば、気のも
ち様で、治り易くも、治り難くもなる。一体なぜだろうか? 「前向き」の姿勢
で治療に臨む患者の脳内には、抗癌作用を持つ2、3のホルモンが分泌されるこ
とが、かなり以前から知られている。これは単なる「御伽話」ではない! 科学
的に実証されている「事実」(自然現象)である。ここでは、2例を挙げよう。
その1つは「NADA」と略称されている化学物質である。PAK遮断剤「カプ
サイシン」(キムチなどに使う赤い「チリペッパー」の辛味成分) に似た抗癌性物
質で、神経伝達物質「ドーパミン」とアラキドン酸が縮合してできたもので、
カプサイシンと同様、VR1と呼ばれるレセプターを刺激する (EC50は約50
nM)。ドーパミンは脳内にあるいわゆる「快楽ホルモン」の一種で、アラキド
ニルCoAを介して「NADA」になる。従って、この「快楽ホルモン」を十分に合成、
蓄積できるような (幸せ一杯な) 精神状態を自分で創り出すことができれば、
NADAを介して、癌や脳内腫瘍 (例えば、NFやTSC)を自然治癒する一助
となる可能性がある。

例えば、大好きなクラシック音楽に聴きほれるとかディスコダンスに出かけると
か、あるいは (運動の好きな人なら) 水泳、テニス、ジョギング、散策 (ハイキ
ングや登山)、ゴルフなど を楽しむとか、あるいは然るべき相手とセックスを満
喫するとか、「カラオケ」で歌謡曲や詩吟に喉を鳴らす、あるいは好きなデッサ
ンや油絵を画くなどして、いわゆる「恍惚状態」を醸し出すことによって、「NADA」
療法ができるだろう。たとえ、癌の根治までいかなくても、いわゆる「QOL」は
確実に高まるに違いない。最近観たテレビ番組によれば、欧米では「ピアノ」療法
や「オペラ」療法で、癌を根治した例がいくつもあるそうだ。そういえば、音楽家や芸術家
(ただし、禁煙家) には癌患者が少ないような気がする
(もっとも、詳しく統計をとったわけではないが)。

もう1つは、「OGF」(阿片様増殖因子)と呼ばれる5個のアミノ酸からなる
ペプチド(メチオニンをC末にもつ「エンケファリン」= Tyr-Gly-Gly-Phe-Met)である。
阿片のごとく 「快楽中枢」を刺激するが、副作用は全くない。米国ペンシルバニア州立大学
癌センターの神経科学者イアン・ザゴンらが1985年頃に哺乳類の脳組織に
発見した抗癌ペプチドで、マウスを使って、メラノーマなど固形癌の増殖を抑制
することを確認している、その後、このペプチド(静注)が、プロポリスなどのPAK
遮断剤と同様、血管新生や癌の転移を抑制することが判明、更に、従来のケモ
(例えば、ジェムザールや5FUなど)に耐性な末期すいぞう癌にも良く効く
ことが、2006年ー2010年の臨床テスト (フェーズ2)で明らかにされつつ
ある。もっとも、市販にはまだ至っていない。従って、患者自身が脳内でせっせと
自家生産しなければならない。 ところで、エンケファリン前駆体を作る遺伝子は、
京大医学部の沼 正作教授 (1929ー1992)の研究室によって、1982年にクローンされた。

以上の例からも、我々の脳内には、癌や脳腫瘍を治癒しうる抗癌ホルモンがいく
つか分泌されていることがわかる。これらのホルモンは、患者本人に「回復意欲」
があれば、外から投与される制癌剤と相乗効果を発揮して、癌や脳腫瘍の根治に
寄与していると思われる。 癌でも、他の多くの「難病」の場合と同様、薬の果して
いる役割は、患者本人の「内なる」回復意欲 (闘魂) を傍から補助するに過ぎず、
本人にさっぱりその気がなければ、どんな良薬でも薬効は余り期待できない。

超耐久自転車レースのメッカ「ツール・ド・フランス」(ピレネーの山々を越え、
全長3000km を走破)で、前人未到の7連覇(1999年ー2005年)を
果した、テキサス州ダラス近郊 (プラノ) 出身のランス・アームストロングは、
このレースに挑戦する数年前に、睾丸(精巣)に急性の末期癌が巣食っているの
に気づいた。医者の診断によれば、助かるチャンスはわずか2、3%に過ぎなかっ
た。しかし、彼は根治に挑戦する決意をして、5FUやシスプラチンなどのDNA毒で
癌の治療を受ける前に、まず自分の精子を凍結(バンク)保存した上、長い苦痛な
闘病生活に耐えた。幸い、彼は奇跡的に助かった。恐らく、彼の脳に蓄積した「NADA」
や「OGF」のお蔭だろう。 そして、プロの自転車レーサー生活にカムバックした。まもなく、
愛妻との間に娘が誕生した。そして、後は歴史の知る通りである。彼は癌闘病者たち
のために、自転車レースを通して募金運動に専念した。そして、念願の「ツール・ド・
フランス」へ超人的な挑戦を始めた。。。
詳しくは、彼の自伝「ただマイヨ・ジョーヌのためでなく」(講談社) を参照され
たし (「マイヨ・ジョーヌ」とは、自転車レースで1位の選手だけが着られる栄
光の「黄色ジャージ」のことである)。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

素晴らしいアイデア、ありがとう...