人々の “健康促進” のために!

人々の “健康促進” のために!
2015年春、沖縄の琉球大学キャンパス内 (産学共同研究棟) に立ち上げた “PAK研究センター” の発足メンバー(左から4人目が、所長の多和田真吉名誉教授)
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2016年7月9日土曜日

健康長寿の薬 “メラトニン” と “プロポリス” は、薬理作用がよく似ている。


我々の脳内にある松果体から分泌するホルモン “メラトニン” には、多様な薬理作用がある。60年ほど昔に、まず美白作用がエール大学のアーロン=ラーナーによって発見された。メラトニンは、トリプトファンの誘導体で、セロトニンを経て、生合成される。メラニン色素合成を抑えるセロトニン誘導体という意味から、“メラ” と “トニン” を合わせて、命名されたという面白い歴史がある。

さて、メラトニンの研究者 “ラッセル=ライター”著 ”奇跡のホルモン: メラトニン“ [1995] によれば、メラトニンは、副作用の全くない天然の睡眠薬であるという。太陽光によって、その合成が抑制され、夜中の2時ごろに大量に合成され、熟睡を助ける。

しかしながら、老化とともに、その合成が低下するため、高齢者の睡眠時間が短くなる。

“寝る子は育つ” という古い諺があるが、メラトニンは、睡眠を促することによって、我々の寿命を延ばす働きをもっいるようだ。 スイスのジョージ=マエストロニらによる研究(1985年)によれば、老境に差し掛かった (生後19か月の) マウスにメラトニンを投与すると、その平均寿命が2割ほど伸びる (1)。 癌にも、AD (認知症)にも、高血圧にも、炎症や感染症にもかかりにくくなる。


治験例: メラトニンは (高血圧 “ラット” ばかりではなく) 高血圧患者の血圧も下げる!



この広範にわたる薬理作用は、プロポリスの薬理作用を想起させる (2)。 従って、その作用機作にも共通点があるに違いない。 分子レベルで、そのメカニズムを詳しく解明したい。

メラトニンには、AMPKを活性化する作用があることが最近、明らかになった(3)。プロポリスなど、ほとんど全ての天然AMPK活性化剤には、発癌・老化キナーゼ “PAK” を遮断する作用がある。 従って、恐らく、メラトニンもその例外ではなかろう。

メラトニンは、天然には微量にしか存在しないが、幸い、化学合成で大量生産が可能である。そこで、より強力なメラトニン誘導体の開発も目下企画している。

米国では、メラトニン 3 mgの錠剤、60錠入りが、600円という安価で販売されている。
ところが、日本国内では、なぜか、メラトニンの販売が禁止され, 輸入も最大2か月分に制限されている。


輸入品は、送料がバカにならないから、(メラトニンのような) “まとめ買い” ができない医薬品は(単価は安くとも)、結局、ひどく高くつく。 例えば、メラトニンは、一瓶(60錠入り)が600円であるが、一日12 錠 (3-6 mg) づつなら、2か月分(最大2)しか輸入できないが、米国からの送料は(注文する度に) 6000円 もかかる。 従って、長い目では、プロポリスのほうが、メラトニンより、安上がりとなる。

 
代わりに、武田薬品の “ロゼレム” (TAK-375)が、メラトニン誘導体 として、販売されている。 



8 mgの “ロゼレム” 錠剤、20錠入りが、8000円近くする。 つまり、一錠400円という暴利 (?)を製薬会社は貪っている。


従って、メラトニンの ”自由化” のために、ぜひ日米間の “TPP” 協定の締結が急務であると、私は思う。

 参考文献:

1.Maestroni GJ, Conti A, Pierpaoli W.
Pineal melatonin, its fundamental immunoregulatory role in aging and cancer.
Ann N Y Acad Sci. 1988; 521: 140-8.

2.Taira N, Nguyen BC, Be Tu PT, Tawata S
Effect of Okinawa Propolis on PAK1 Activity, C. elegans Longevity, Melanogenesis, and Growth of Cancer Cells.
J Agric Food Chem. 2016,
64, 5484-9.
3.Rui BB1, Chen H2, Jang L1, Li Z1, Yang JM3, Xu WP4, Wei W5.
Melatonin Upregulates the Activity of AMPK and Attenuates Lipid Accumulation in Alcohol-induced Rats. Alcohol Alcohol. 2016; 51: 11-9.
 





 
 

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