人々の “健康促進” のために!

人々の “健康促進” のために!
2015年春、沖縄の琉球大学キャンパス内 (産学共同研究棟) に立ち上げた “PAK研究センター” の発足メンバー(左から4人目が、所長の多和田真吉名誉教授)
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2017年11月22日水曜日

極東共同体 (Far-East Union): マクロンの「EU路線」をアジア (極東) に導 入しうるか?

今春、フランスの大統領選挙で、台頭しつつある極右翼 (National Front) を見事に破って当選したエマヌエル=マクロンは、フランスを欧州連合 (EU) の中心 (原動力) と位置付け、フランス国内及びEU内の抜本的な政治/経済改革 (民主的な革命) を、最近の著書「革命」(原書はフランス語、英訳がつい最近出版される) で提案している。 有力銀行 (ロスチャイルド) 出身のマクロンは、「中道/大衆」路線を守り、保守的な右翼 (企業家) 路線にも、労働組合を基盤とする社会主義 (左翼) 路線にも組しない独自路線を推進しつつある。

医科学研究 (特に、癌などの難病治療) 部門で長らく、いわゆる「我が道」を行く ("PAK"研究に専念してきた) 私自身と 大いに共感するところがある。 そこで、マクロン路線を学び、日本の政治や経済改革に応用しうるかどうかを検討している。 実は、その昔、私が東大の薬学へ進学を決める前に、"早稲田の政経学部の入試をパス"している。 私は西洋史や世界地理に強く、半世紀後の今でも、海外に永住しながら、国際政治や貿易に強い関心を持ち続けている。

欧州大陸では、過去 長らく (2千年の間)、戦争が絶えなかった。そのうちでも、最も戦渦がひどかったのは、ドイツを中心にした第一次世界大戦と第二次世界大戦であった。そこで、戦後間もなく、フランスのドゴール大統領と西ドイツのアデナウアー首相が中心になって、欧州大陸での戦争を今後避けるために、独自の欧州共同体 (EC) と呼ばれる「経済共同体」をうち立てた。それが (東西ドイツの再統一に伴い) 更に発展して、欧州連合 (EU) が発足した。 現在、EUには、英国を含めて28ヶ国が加盟している。そして、加盟国の大半が、「Euro」という共通貨幣を使用し、EU内では、ビザなしに往来ができるようになった。 ところが、(「ポンド」という独自の貨幣を依然固持する) 英国は最近、不幸にも (愚かな極右派の影響により)  国民投票の結果、「EUを離脱する」決定 (Brexit) を下した。これは、米国トランプの孤立主義/保護貿易政策と同様、世界の地球化 (Globalization) 傾向に、「アングロ=サクソン」(英米諸国) が逆行する動き (歴史の後戻り) を示している。 

さて、極東では、明治維新後、中国大陸 (特に、鉄/石炭などの天然資源が豊富な満州) における利権を巡って、日本が中心になって、日清戦争、日露戦争、そして、太平洋戦争を巻き起こした。 結果的には、真珠湾攻撃で米国の参戦を招き、(降伏直前に) 原爆を2発、広島と長崎に落され、グウの音も出なくなった。しかしながら、敗戦後、「日中ソ」が仲直りして、「極東共同体」を打ち立てるという聡明な動きは全くなかった。できたのは、逆に (中共やソ連を仮想敵国とする) 「日米安保条約」だった。そして、沖縄が真っ先にその犠牲になった (米国の極東軍事基地の3/4が沖縄に集中した!)。そして、日本は「アジアの孤児」と非難されながら、朝鮮戦争やベトナム戦争などの米国の軍事作戦に協力し続けた。
 日本の再軍備を唯一予防してきたのは、いわゆるマッカーサー憲法「第9条」 (戦争放棄の宣言) だった。

ところが、最近、北朝鮮からのミサイルや核兵器の脅威を口実にして、安倍政権が、「9条」を改悪して、「再軍備」(自衛隊の強化) を企てている。 マクロンとは、明らかに「月とスッポンの違い」である。 安倍政権だけではない!  野党「希望」を打ち立てた小池都知事も、「改憲」(9条の改悪) という踏み絵を、民進党出身者に強要した。その結果、民進党の三分裂を招き、自民党にまんまと「魚夫の利」をもたらした。 彼女自身は「マクロンの日本版」を自負しているようだが、明らかに「似て非なる」ものである。安倍と小池は、言わば「同じムジナ」に近い。 

極東に真の平和をもたらす政策は、日米安保でもなければ、日本の再軍備 (9条の放棄) でもない!  先ず中国、韓国、台湾、シンガポールなど近燐のアジア先進国 (Asian Tigers) と協力して、(EUに対抗して)「極東共同体」(FU, Far-East Union) という新しい経済体制をうち立て、FU 内では、輸入税の廃止、貨幣の共通化、ビザの廃止など、画期的な経済改革を実現することである。そうすれば、北朝鮮からの軍事的な威嚇や脅威もやがて無くなるだろう。 イソップ童話に、「暖かい南風は、寒い北風に勝る」という逸話がある。 

マクロンは「前進」(En Marche) という新党を打ち立て、文字通り「前進」を続けている。安倍内閣は、逆に日本を「戦前に戻そう」としている。"後戻り" はもはや許されない!  極東に "進歩" をもたらすためには、 (国境を越えて) "FU" と共に、"前進" するのみである。 

恐らく、(共産党独裁の) 中国がFU路線に抵抗/難色を示すかもしれない。従って、日本が民主的な韓国、台湾、シンガポールなどに呼びかけて、先ず「FUの核」を形成し、次に「中国を料理する」作戦が正攻法となろう。 しかしながら、 江戸時代に長らく「鎖国」を続けた日本は、英語会話に弱く、歴史的に「国際外交音痴」である。従って、(比較的進歩的な) 元外相 "河野洋平氏"  (早稲田大学政経学部出身、80) などと相談して、予め念入りに作戦を練る必要があるだろう。機会があれば、マクロン著「革命」の邦訳  (抜本的な改革へ前進!) を出版し、小田原市内にあるはずの河野邸を訪ねてみたいと思ったが、パリの出版社からの最新情報によると、意外にも、 ("子供向けの伝記本" や "世界の童話" などを主に出版している) ポプラ社」により、邦訳が既に進められているそうである。小学生の頃、私もポプラ社の偉人伝シリーズ (聖徳太子、エジソン、シュバイツアー博士 など) の愛読者だった!

蛇足であるが、河野洋平氏は、早稲田大学 "競走部" のOBでもあり、父・一郎、叔父・謙三も歴任した日本陸上競技連盟会長を務めていた(1999- 2013) 。正月明けの "箱根駅伝" では、地元 (小田原) や往路ゴール (箱根) にて, 母校「早稲田」の選手の到着を待っている姿がしばしば目撃される。だから、長距離ランナーでもある私とは、色々な意味で "馬が合う"。

 

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