人々の “健康促進” のために!

人々の “健康促進” のために!
2015年春、沖縄の琉球大学キャンパス内 (産学共同研究棟) に立ち上げた “PAK研究センター” の発足メンバー(左から4人目が、所長の多和田真吉名誉教授)
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2008年5月31日土曜日

難病から立直るために: どんな食事をしたら良いか?

世の中には、癌や糖尿病、エイズや自閉症など様々な難病に苦しんでいる人々が沢山いる。これらの病気が「難病」と呼ばれている由縁は主に、これらの病気に良く効く薬がまだ市販されていないことにある。私は薬学出身であり、医者ではないが、海外で30年以上、癌に関する基礎研究に従事し、10年ほど前から癌に効く新しい薬を開発すべき研究を本格的に始めた。これら制癌剤の開発研究を進める内にわかったことは、動物実験である合成新薬が癌に有効であることを発見しても、それが最終的に米国のFDAや日本の厚生省などから使用許可を受け、市販されるまでには、10年近くもかかる3段階にわたる臨床試験(治験) を全て完了する必要があるという厳しい現実だった。全く気の長い話で、診断で癌が発見されてから死亡するまで、通常数か月しかかからないスイ臓癌やグリオーマなどの悪性脳腫瘍を現在患っている(いわゆる「瀕死」に近い)患者たちには、我々が目下開発しつつある癌の特効薬などどれも、全くお役に立たないことになる。。。

そこで、2、3年ほど前から、既に市販されている医薬品や健康食品サプル、あるいは青物市場や近所の八百屋の店先に毎日出回っている野菜や果物類の中から、癌に効く物を捜し出す(発掘する)努力(研究)を始める決心をした。しかしながら、この種の研究は、どこの癌研究所でも余り歓迎されない。その主な理由は、発見が特許や政府からの科研費(グラント)獲得に全く結び付かないからだ。いいかえれば、研究所に将来お金をもたらすような、いわゆる「金の卵」にならないのだ。いわゆる「象牙の塔」では、患者の側に立つ「ヒューマニズム」は歓迎されない。そこで、私は18年間、制癌剤開発部長をずっと務めていたメルボルンの国際的癌研究所を63歳でとうとう退職して、ボランチア(客員教授)として、欧米の2、3の臨床専門の研究所に滞在しながら、(市販されている)天然物の中から新しい制癌剤を開発する研究を開始した。特に、特効薬が全く皆無のNF(神経線維腫症)という稀少難病に伴う各種の腫瘍に効くべき天然産物に、その研究を集中させた。

これら天然物研究の過程から意外なことがわかってきた。先ず(前述した)発癌性の酵素「PAK」を遮断する(あるいは抗癌性の酵素「AMPK」を活性化する) ことによって癌の7割以上やNF腫瘍の増殖を抑える作用を持つ物質が市販されている健康食品サプルであるプロポリス類、インドカレー粉(「クルクミン」が主成分)、オレンジ、赤、青、紫色の果物(例えば、ブドウ、ブルーベリー、温州みかんなど)や野菜(例えば、ブロッコリー、チリ胡椒、四川省産の花椒、沖縄産の苦瓜「ゴーヤ」など)に豊富に含まれているという事実である。更に、これらの天然物の薬効を詳しく調べてみると、これらの食材には腫瘍の抑制ばかりではなく、他の多くの難病 (例えば、エイズ、糖尿病、肥満症、喘息、リューマチ、アルツハイマー病、癲癇、自閉症など) の治療や予防にも、同様なメカニズムで有効であることが判明した。

更に驚くなかれ、マウスなどを使った動物実験や「エレガンス」と呼ばれる微細な線虫を使った基礎実験により、「PAK」遮断あるいは「AMPK」活性化作用を持つ天然物には、我々の体内にもある「FOXO」と呼ばれる抗癌性の「長寿蛋白」を活性化することによって、これらの実験動物の寿命を著しく延ばす「養命」機能があることも、ごく最近になって、欧米の研究者たちによって確認された。従って、癌を含めてこれらの難病から早期回復、あるいはこれらの難病を積極的に予防するために、以上あげた食材を日常努めて摂取すれば、病気にかかりにくくなるばかりではなく、ずっと長生きできるはずである。

「養命酒」に限らず多くの赤ワインには、赤ブドウの果皮由来の「レスベラトロル」(R3)と呼ばれるポリフェノールが豊富に含まれている。このR3は、例の「FOXO」を活性化することによって、癌の増殖を直接抑えるばかりではなく、マウスなどの実験動物の寿命を延ばし、更に糖尿病や肥満症を抑える作用もあることが最近わかり、欧米でにわかに注目され始めている。養命にとって大事なことがもう一つある。「カロリーをとり過ぎない」ことだ。昔からいわれている「腹七分目」そのものが、これらの「長寿食材」と同様、長生き(養命)に通ずることもわかっている。

馬鹿の「大食い」は命を縮める!
http://www.koumatsuba.zansu.com/hara7bu/00hara7bu.htm

私の本職は制癌 (PAK遮断) 剤の開発で、線虫を使った「養命」に関する研究では、まだ「駈け出し」なので、私の大学時代の先輩で、老化研究の世界的権威である後藤先生の「健康長寿」欄 (下記) をここで紹介したい。浅学ながら、コイが長生きするという話は初耳だが、鎌倉に住むM先生は私の恩師でもあり、(40年近く昔の) 我々の大学院生活を懐かしく思い出した。
http://www.mnc.toho-u.ac.jp/v-lab/aging/index.html

続く

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