人々の “健康促進” のために!

人々の “健康促進” のために!
2015年春、沖縄の琉球大学キャンパス内 (産学共同研究棟) に立ち上げた “PAK研究センター” の発足メンバー(左から4人目が、所長の多和田真吉名誉教授)
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2014年11月7日金曜日

DNA (PAK1やメルリン遺伝子) 配列に基づく新しいメロディー (Bio-Music) を!


世界で初めて、生物のDNA (遺伝子) 塩基配列とモーツアルトなどが作曲した名曲のメロディー (音符) との間に深い関係があることに注目したのは、日本人の遺伝学者である大野  進博士 (1928-2000) である。30年以上昔、米国カルフォルニアのベックマン研究所に勤務中に、この面白い発見をした。 http://www.tokenrock.com/dna_music/dna_into_music.php

この発見に促されて、2005年に初めて、丸山祥枝 (東大農学部) がコウジ菌のアミラーゼ遺伝子の塩基配列に基づいて、実際にあるメロディーを作曲したそうである。
 http://park.itc.utokyo.ac.jp/Lab_Microbiology/supportfile/melody.html

従って、DNA配列に基づく作曲活動そのものは今や目新しい 試みではない。

新味があるとしたら、どの遺伝子のDNA配列を作曲の基盤にするかという選択と、一体何を目的にして、そんな奇妙な作曲をするかであろう。 私の海外における人生 (約40年間) はPAKという「発癌/老化キナーゼ」に関する研究に終始した。そして、その主目的は、このキナーゼを何とか抑えることによって、「健康長寿」を全人類にもたらすことにあった。そこで、作曲の基盤 (鋳型) になるDNAはヒトのPAK1遺伝子の一部で、それを生体で発現すると、このキナーゼの機能が阻害され、癌などの難病を治し健康長寿をもたらしうる、いわゆる「dominant negative」(DN)ミュータントである。残念ながら、今日の「遺伝子治療の技術」レベルでは、この方法自体の臨床への実用化はまだできない。

そこで、この「DNミュータント 」の塩基配列を音符の形に翻訳 (変換)して、音楽のメロディーとして、PAK依存性の難病 (癌や認知症など) に悩む患者たちに提供するという一見「奇想天外な」試み (アイディア) である。いわゆる「音感療法」の一種である。ある特定の、あるいは一連のクラシック音楽 (例えば、モーツアルトの「小夜曲」やベートーベンの「月光の曲」など) を繰り返し聞いていると、癌や認知症が自然に治るという例は少なからずある。その詳しいメカニズムはいまだ不明だが、脳内にある種の (PAK遮断作用を持つ)  抗癌ホルモン(例えば、NADAやOGF など)が分泌され、難病の治療に役立つらしい。

さて、DNAを構成する塩基はわずか4種類 (A、T、G、C) しかない。従って、そのままでは旋律 (メロディー) が恐らく単調になり過ぎるだろう。そこで、「T」に相当する音符が実際には存在しないという事実を利用して、この塩基が来た場合には、作曲家自身の好みでどんな音符にも変換しうるという「柔軟なルール」を作れば、変化に富んだ「独創的な新曲」の創作が、もちろん可能になる。

「善は急げ」で早速、最寄りの電化製品店で手ごろな電子「キーボード」演奏器を入手して、「PAKソング」第一号 (Op. 1) の作曲に取り掛かりつつある。 この楽器には、(私の好きなシューベルトの歌曲「野バラ」や「菩提樹」など)「世界の有名な民謡」が100種類近く録音されており、それを伴奏に、いわゆる「カラオケ」も楽しめる。 60年近く昔、まだ中学時代(「声変わり」がする前)に、NHKの喉自慢コンクールで、中学の音楽の教師のオルガン伴奏に合わせて、これらの歌曲をドイツ語で歌った日々が懐かしい。。。

「NF2」と呼ばれる脳内に腫瘍が発生する稀少難病がある。この病気の原因は、「メルリン」と呼ばれPAK阻害蛋白が機能不全になることによる。従って、メルリン遺伝子の一部 (PAKを阻害する部分) に相当するDNA配列を基礎にした新曲「メルリン交響曲」を創作することも、大いに意義がある。
近代音楽の父、ヨハン=セバスチャン=バッハは、主に物理学を基礎にして、数々の交響曲を創作したと言われている。 21世紀の冒険的な音楽家は、主に分子生物学 を基礎にして、病気の治癒にも役立つべき新曲 (=Bio-Music) の創作に挑戦すべきだろう。

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