人々の “健康促進” のために!

人々の “健康促進” のために!
2015年春、沖縄の琉球大学キャンパス内 (産学共同研究棟) に立ち上げた “PAK研究センター” の発足メンバー(左から4人目が、所長の多和田真吉名誉教授)
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2014年11月9日日曜日

バイオミュージック 「PAK18」 作曲への挑戦!


前述PAK1の「DNミュータント」中、最短に近いPAK阻害ペプチドは「PAK18」と呼ばれている。このペプチド部位は元来PAK1分子の前半 (N端半分) に位置し、(プロリン4個を含む)18個のアミノ酸から成っている。この部位に 「PIX」 と呼ばれるSH3蛋白が結合すると、PAK1が活性化される。逆に、PAK18だけを、例えば癌細胞内に注入あるいは発現させると、PAK1の活性化が阻害され、癌細胞の増殖が抑制されることを、我々は10数年前に実証した。 この「PAK18」のアミノ酸配列の鋳型となる遺伝子 (DNA)暗号配列は、下記の通りである:

CCT CCT GTG ATT GCT CCT CGT CCT GAG CAT ACT AAA TCT GTG TAT ACT CGT TCT

塩基のサイズはC<A<G なので、例えば、C=Do、A=Mi、G=La と設定し、更に前述の塩基「T」に関する柔軟なルールを採用すれば、最低54個の音符からなるメロディー(18小節からなる小曲)がまず創作できる。更に、この小曲を軸にして、「起承転結」(AA’BA or C) というごく普通の変曲展開をもたせると、80小節弱の新しいピアノ主旋律 が構成されうる。 面白いことには、豪州内に (DNA配列に従って) 歌曲を作曲してくれるインターネット欄がある:  http://www.yourdnasong.com/music_design.html

今や特定のDNA配列を基盤にして創作されたいわゆる「バイオミュージック」(Bio-Music) によって、癌や認知症など様々な難病を治し、健康長寿を勝ち取りうる時代が到来しつつあるような気がする。前述したが、自然界では、PAK遮断=AMPK活性化=HSP誘導という等式が成り立つ。従って、「PAK18」やメルリンなどのPAK遮断蛋白ばかりではなく、AMPKやHSP(熱ショック蛋白)を産生するDNA配列を基盤にした多種多様な「バイオミュージック」も医療に役立つ可能性がある。

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