人々の “健康促進” のために!

人々の “健康促進” のために!
2015年春、沖縄の琉球大学キャンパス内 (産学共同研究棟) に立ち上げた “PAK研究センター” の発足メンバー(左から4人目が、所長の多和田真吉名誉教授)
For detail, click the above image.

2015年11月9日月曜日

「Notch-PAK 」 シグナル経路におけるLPSの役割

LPSがPAKを活性化すると前述した。最近、韓国 (Chonnam University) のPARK グループによって、そのメカニズムが詳しく分子レベルで解明された。 実は、PAK阻害蛋白の一つである「Notch」と呼ばれる抗癌性を持つ転写蛋白の機能を、LPSが抑える (1)。 いかにLPSがNotchの機能を抑えるかも判明した。 LPSがNO (Nitric Oxide) を誘導し、NO がNotch分子のチロシン残基 1905をニトロ化することによって、そのPAK阻害活性を抑える

Notch は細胞膜を貫通する分子で、細胞内の部分がPAKに直接結合して、そのキナーゼ活性を抑える (2)。  一方、Notchの細胞表面にある部分は、幾つかのリガンドと結合すると、活性化を受ける受容体である。 そのリガンド (刺激ホルモン) が「DSL」と呼ばれる蛋白群である。 言い換えれば、「DSL」はPAK遮断蛋白/ホルモンなのである。 従って、少なくとも理論的には、「DSL」あるいはその誘導体は将来、抗癌剤として開発/利用しうる可能性を秘めていることになる。

参考文献: 
1. Kim MY1, Park JH, Mo JS, Ann EJ, Han SO, Baek SH, Kim KJ, Im SY, Park JW, Choi EJ, Park HS. Downregulation by lipopolysaccharide of Notch signaling, via nitric oxide. J Cell Sci. 2008 May 1;121(Pt 9):1466-76.
2. Yoon JH1, Mo JS1, Ann EJ1, Ahn JS1, Jo EH1, Lee HJ1, Hong SH1, Kim MY1, Kim EG2, Lee K1, Park HS3. NOTCH1 intracellular domain negatively regulates PAK1 signaling pathway through direct interaction. Biochim Biophys Acta. 2015 Nov 4. pii: S0167-4889(15)00376-6

0 件のコメント: