人々の “健康促進” のために!

人々の “健康促進” のために!
2015年春、沖縄の琉球大学キャンパス内 (産学共同研究棟) に立ち上げた “PAK研究センター” の発足メンバー(左から4人目が、所長の多和田真吉名誉教授)
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2008年6月8日日曜日

TSC ( 結節性硬化症 ) 治療薬に関する最新海外情報!

http://www.ts-tubasa.com/

稀少難病TSC ( 結節性硬化症 ) は、主に抗癌蛋白「TSC1」または「TSC2」の機能不全によって発症する。その理由は、これらの蛋白の本来の機能が、その下流にある発癌性蛋白「TOR」を抑制することにあるので、TSC が機能しなくなると、「TOR」が発癌機能をフルに発揮して、正常細胞を癌化し始める。従って、TSC の特効薬として、「TOR」を直接阻害する制癌剤「ラパマインシン」やその誘導体が、目下欧米で開発されつつあるが、まだ治験の中途であり、市販されるまでには、恐らく数年ほどかかるだろう。 http://homepage2.nifty.com/daikon_tom/nfj/2005_06_cci_779.htm

最近、(本の執筆のため) 古い文献を調べているうちに、大変面白いことを見つけた。2002年に、神戸大学の米澤 一仁教室と米国MITのデビッド・サバチニ教室が各々独立に、TORの活性化に必須な蛋白「Raptor」を発見している。更に、2008年になって、サバチニ教室は「Raptor」の活性化に必須なG蛋白「RAG」を発見したと聞いている (速報)。

さて、私がにわかに「Raptor」に注目したのは、次のような理由からだ。Raptor遺伝子の発現が、なんと抗癌蛋白「FOXO」によって抑制されることが、線虫「エレガンス」の実験で、2004年に米国ミズーリ大学のドナルド・リドルのグループによって明らかにされていることを、偶然にごく最近知ったからだ。
更に、2007年に同様な現象がマウスを使った実験でも、豪州メルボルンのベーカー研究所で、確認されている。従って、FOXOを活性化する機能をもつ市販のPAK遮断剤、例えば「Bio 30」などのプロポリスや、抗癌キナーゼAMPKを活性化する赤ブドウ酒 (あるいはジュース) などの飲料は、(少なくとも) 理論的には、TSCの (安価かつ安全な) 特効薬になるはずである。

なお、この画期的な発見への糸口を作った米澤 一仁教授(神戸大学・バイオシグナル研究センター) は惜しむらくも、49才 の若さで急死されたそうである (2005年夏)。将来が大いに期待されていただけに、誠に残念である。

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