人々の “健康促進” のために!

人々の “健康促進” のために!
2015年春、沖縄の琉球大学キャンパス内 (産学共同研究棟) に立ち上げた “PAK研究センター” の発足メンバー(左から4人目が、所長の多和田真吉名誉教授)
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2008年6月13日金曜日

喫煙者の「真っ黒な」肺臓 (Smoked Lungs)

もう40年以上も昔の体験である。大学の解剖学の実習時間に、数組に分かれて、ホルマリン漬けの死体(人体)解剖をやらされたことがある。胸部を開けると、まずピンク色の心臓が中央近くに見える。我々は、肺臓も通常ピンク色だと聞かされていた。しかしながら、我々が解剖した死体(喫煙者、男性、50代)の肺臓は、両肺ともタールで真っ黒だった。その気味悪さに強烈なショックを感じたのは、私のみではなかったろうと思う。幸い、陸上部で長距離をやっていた私自身には、それまで喫煙のチャンスなどなかったが、その瞬間、喫煙は絶対にすべきでないと、心に深く誓ったものだ。参考のために、隣りのグループが解剖していた死体(女性)の肺も見せてもらったが、確かに美しいピンク色だった。。。

さて、コールタールに発癌性があることを初めて証明されたのは、今から約百年前(1915年)のことである。東大医学部病理解剖の山極勝三郎教授(当時から15年後に他界するまで、慢性の肺炎をずっと患っていた)は、(北大から留学中の)市川厚一に命じて、ウサギの耳にタールを塗りつけて、世界に先駆けて、「人工癌」の発生に成功した。

http://www.civic.ninohe.iwate.jp/100W/06/071/page2.htm

喫煙中のタバコから発生するタールの中にも同様、強い発癌性物質があることが、のちに証明された。以後、喫煙者に発生する肺癌の主因が、このタールであることは今日、世界的に常識になっている(もっとも、タバコ製造/販売業者は今でも、それを否定し続けているようだが)。

http://www.srf.or.jp/histoly/frames/history-frame02.html


ニコチン自身が発癌性?

喫煙が喉頭癌、咽頭癌、肺癌、食道癌、すいぞう癌などの主因の1つになっていることは、今日常識になっているが、タバコ中に含れるタール類のみが,その発癌の主因物質と一般的には信じられてきた。実際、私自身もごく最近までそう思っていた。ところが、ひょんなきっかけから、タバコ中にある揮発性の中毒性物質「ニコチン 」自身にも強い 発癌性があることを初めて知った。

http://homepage1.nifty.com/drshun/tobacco/nicotin_cancer_promote_growth.htm

その上、 つい最近になって、その詳しいメカニズムまで判明してきた。何とPAKを異常活性化しているのだ。(ニコチン中毒者には)早急に喫煙を止めることをお勧めしたい。そうしないと、喫煙者自身のみならず、周囲の家族、特に幼児たちにも酷い「とばっちり」がかかるからだ。あのタバコの煙の中には、発癌性のタール類ばかりではなく、揮発性の目に見えない(無色の)ニコチンが一ぱい潜んでいるのだ。要注意! 日本では専売公社 (現在は民営化され「JT」に改称) の影響か、この由々しき事実が公表されていないようだが、欧米の医学雑誌には(その気で調べてみると)この数年間、色々な形で「ニコチンの発癌性を証明する」研究論文がかなり沢山出ている。

この種の警告が分子レベルで医学雑誌に初めて発表されたのは、実は1991年のことである。米国保健財団のスチーブ・ヘックスの研究グループ(現在、ミネソタ大学癌センター勤務)が、ニコチンの代謝産物であるNA (ニトロソアミン) 類がKiーRAS遺伝子に変異を起こすという衝撃的な報告をしている。前述したが、ヒトの癌全体の3割以上に、このRASに変異が起こっていることが、その2、3年前に明らかにされていた。すいぞう癌ならほとんど100%、結腸癌でも5割、肺癌や子宮癌では3割に、この変異が見つかっている。実は1978年頃に初めて、マウスやラットを使って、種々のNA が癌を発生させることを見つけて以来ずっと、彼らはその発癌メカニズムを詳しく研究し続けていたのだ。
 
その後、ニコチンによる発癌は、必ずしもRAS遺伝子上の変異のみならず、RASの下流にある発癌性シグナル伝達蛋白 (特にキナーゼ) の異常活性化にも関与していることが明らかになった。例えば、2001年に奈良県立医科大学の中山均らは、ニコチンがある神経細胞中のキナーゼ「ERK」を何らかのメカニズムで (一過性に) 活性化することを発見した。つまり、遺伝子の変異を経ない現象が見つかったわけだ。

さらに翌年には、米国アトランタにあるエモリー大学医学部のチャンギ・ 陳のグループにより、ニコチンが血管新生に必須なVEGFの発現を誘導することを見つけた。次に2005年になって、ボストン大学医学部のチャンヤン・陳のグループによって、ニコチンにより誘導される「ERK」の活性化およびサイクリンD1の発現増加はRASおよびRafを介することが解明された。つまり、RASとRafの間に位置し、かつVEGFを誘導するPAKの関与に疑いの余地がもはやなくなった。

その結論を裏付けるように、2004年に香港大学医学部のチー・チョンのグループにより、PAK遮断剤であるCAPEがNA (ニトロソアミン) による結腸癌細胞の増殖促進を抑えることが確認された。言い換えれば、「Bio 30」は、喫煙由来といわれている数種の癌 (咽頭癌、肺癌、すいぞう癌、結腸癌など) の治療にも有効であることが容易に想像できるだろう。

続く

1 件のコメント:

Natasha さんのコメント...

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