人々の “健康促進” のために!

人々の “健康促進” のために!
2015年春、沖縄の琉球大学キャンパス内 (産学共同研究棟) に立ち上げた “PAK研究センター” の発足メンバー(左から4人目が、所長の多和田真吉名誉教授)
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2016年2月5日金曜日

夢から生まれた新しいPAK遮断剤の発明!

昨夜、とても面白い夢を見た。  ある研究所で "未熟な" 赤血球 (胎児由来のF細胞) の増殖を促進する試薬を発見した。その試薬は、ある蛋白の酸素に対する親和性を高める薬理作用をもっていた。 赤血球中で酸素の輸送を担っているのは「ヘモグロビン」(Hb) と呼ばれる蛋白である。 このHbにある変異が起こると、酸素に対する親和性が著しく低下して 「鎌状赤血球症」 (SCA) という高山病に似た症状 (貧血) が発生する。 主に黒人に多い稀少難病である。

この遺伝病の治療法の一つに、「Hydroxyurea」(HU) 法 というのがある。 HUとは、尿素の一部がOHに置換された一種の塩基性アルコールである。 このアルコールを経口すると、かつて(出産前に) 胎内で発現していた特殊な Hb の発現が誘導される。 この"胎児型" Hbは、"成人型" Hbに比べて、酸素に対する親和性がずっと高い。 従って、HU経口によって、いわゆる 「若返り現象」 がおこり、SCA患者の血中で"胎児型" Hbが大量生産され、貧血状態が解消される。

恐らく、この試薬を100メートル競走の選手に投与すれば、9秒台でゴールインできる選手が続出するだろう。。。「ドーピング」スキャンダルの元にも、なりかねない試薬である。 しかし、良用すれば、人類全てにとって、「健康長寿」(若返り) の助けにもなろう。 発明とは所詮、「両刃の剣」である。

さて、夢から醒めて、HUを利用するある名案が浮かんだ。 強力なPAK遮断剤を開発する方法である。 既存の 天然PAK遮断剤には、カルボン酸をもった化合物が多い。水溶性であるが、細胞透過性が悪いから、癌などの治療には利用しにくい。 この欠点を解消するためには、このカルボン酸をアルコール類と結合させて、エステル化 (酸を中和) せねばならない。 しかしながら、中和すると、水に不溶になる。 そこで、相手のアルコール候補としては、水溶性で然も塩基性であることが望ましい。 夢に登場したHUは、その条件を十分に満足しうる分子量の小さな、然も安価な試薬 (東京化成:  5g  8000円) である。従って、工業的に十分成り立つ「新案特許」になりうるだろう。。。

なお、HUそのものは、主に白血病やエイズの経口治療薬 (daily dose: 10-70 mg/kg) として、臨床でかなり昔から使用されている。

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