人々の “健康促進” のために!

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2015年春、沖縄の琉球大学キャンパス内 (産学共同研究棟) に立ち上げた “PAK研究センター” の発足メンバー(左から4人目が、所長の多和田真吉名誉教授)
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2016年2月3日水曜日

米国大統領予備選挙に「旋風」を巻き起こす「サンダース上院議員」の横顔

本年11月の大統領選挙をめざして、共和党内でも民主党内でも、党からの指名を獲得するために、数名の候補が篠木を削り始めている。最初の予備選挙が行われた(やや保守的な)アイオワ州では、共和党候補中、上位3名が小差でリードを保っている。しかしながら、実質的には、「大統領選挙の本命」は民主党候補中にある。8年前の大統領戦挙で、オバマ候補に小差で敗れたヒラリー=クリントン (68) が、女性初の米国大統領をめざして、ごく最近まで、大きくリードしているかに見えた。 ところが、アイオワ州予備選挙のフタを開けてみると、実に意外な結果が出てきた。

少なくとも海外 (日本国内を含めて米国の外)では殆んど無名の候補、バーニー=サンダース上院議員(74)が本命クリントン候補にわずか0。2%差で肉迫していた。 この予備選挙で、クリントンは22名のデリゲート(代議員)、サンダースは21名のデリゲートを獲得した。次の予備選挙は一週間後に(進歩的な)ニューハンプシャー州で行われる。最近の世論調査では、逆にサンダース候補がクリントン候補を18%ほどリードしているそうである。 

(やや高齢ながら)明らかに進歩的なサンダース候補の主な票田は進歩的な若者たちにある。他方、やや保守的な(比較的若い)クリントン候補の主な票田は勿論、女性層にある。 「アイオワの勝者はニューハンプシャーでは勝てない」 という予備選挙にまつわるジンクスがある。 そこで、クリントン候補は今回、サンダース候補 と "ジンクス" を両方破るために死闘を展開するに違いない (しかし、今回も 「ジンクス」 は破れなかった!)。

さて、それでは、「ダークホース」 サンダース上院議員とは、一体どんな人物なのだろうか? 彼はユダヤ系のアメリカ人である。父親(エリー)はポーランドから亡命してきたユダヤ人である。ポーランドに残ったエリーの家族は全て、ナチスによる虐殺の犠牲になった。母親(ドロシー)はニューヨーク生まれのユダヤ系のアメリカ人である。従って、もし彼(バーニー)が大統領に当選したら、"米国初のユダヤ系大統領"となるだろう。半世紀以上昔、ジョン=ケネディーが当選して、初のカトリック教大統領になって以来の快挙となる。

さて、彼(バーニー)がニューヨークで生まれたのは、太平洋戦争が勃発する直前の1941年9月である。従って、バーニーは、私自身を含めた我々の世代に属する。1964年にシカゴ大学法学部を卒業。1968年にヴァーモント州に移住して以来、そこにずっと永住している。 ヴァーモント州は隣のニューハンプシャー州やメイン州と共に、進歩的なインテリが多く住む民主党の票田である。 しかし、バーニーが民主党に入党したのは、ごく最近(2015年)のことで、それまではいわゆる「無党派」の政治家として、地元で活躍していた。

二大政党による政治を嫌って、"少数派の味方" になる政治を常に心がけた。兄のラリーは英国に永住し、グリーン党の政治家として活躍している。バーニーは兄ラリーの感化を多く受け、兄から、政治問題に関する様々な進歩的思想を教わったといわれている。バーニーは基本的には「無宗教派」であるが、バーニーの奥さん(ジェーン)がカトリック教徒である関係上、ローマ法王フランシスによる「貧富の差を無くす活動」にも共鳴しているそうである。彼は自らを福祉国家をめざす「民主的な社会主義者」と考えているようである。彼は高校時代、陸上部で中距離ランナーとして活躍し、一マイル競走で全米(インターハイ)3位に入賞した経験を持つ、「健康な精神は健康な身体に宿る」という座右の銘を信じる、いわゆる「文武両道」を心がける一種の「サムライ」である。彼は、1981年から州内で最大の都市バーリントンの名市長を10年(3期)務めた後、アメリカには珍しく、無党派の下院議員を1990年から16年間に渡って務めてから、2006年以後、無党派の上院議員を70% 以上という圧倒的な支持率を受けながら、2期目を務めつつある。地元住民からの熱い人望に支えられた「草の根」運動のベテランであり、クリントンにとっては、明らかに "手強い相手" である。

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