人々の “健康促進” のために!

人々の “健康促進” のために!
2015年春、沖縄の琉球大学キャンパス内 (産学共同研究棟) に立ち上げた “PAK研究センター” の発足メンバー(左から4人目が、所長の多和田真吉名誉教授)
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2016年1月3日日曜日

トマトの茎/葉/花の芳香成分 (alpha-Tomatine と呼ばれるサポニンの一種) :
抗癌/抗炎症作用を持つPAK遮断剤

トマト、特に自然 (無農薬) 栽培のトマトの茎/葉/花には、強い芳香がある。 この芳香はテルペン系の「alpha-Tomatine」と呼ばれる (水溶性の) 配糖アルカロイドで、害虫を殺す作用 (IC50=100 nM) があることが知られている。 最近、京大のグループによる研究から、トマトが害虫に食べられると、周りのトマトを害虫から守る (集団防衛) 手段として、この揮発性殺虫成分が大量に生産、分泌されるそうである。 従って、害虫には毒であるが、我々人間様にはどうだろうか?

実は、なぜか私は子供の頃からこの芳香が大好きなのである。 そこで、「alpha-Tomatine」について、文献調査をやったところ、台湾の研究グループによれば、驚くなかれ、かなり強い抗癌作用、抗炎症作用などがある (マウス実験では、5 mg/kg で有効) ことが知られていた。 しかも、「COXー2」を間接的に抑制するところから、「PAK」を遮断している可能性が強い (1)。  私は、茎付きの (自然栽培) トマトを購入してきて、茎を切り離し、煎じて「ハーブ茶」として飲んでいる。

ただし、配糖体である「a-Tomatine」には4つも糖がついているので、分子量が大き過ぎて、そのままではBBB (血管脳関門) を通過しない (つまり、脳疾患には効かない) 恐れがある。 そこで、(将来)  脳腫瘍などの治療に応用できるように、糖を切り離して、別の "水溶性かつ塩基性" の側鎖に置換する工夫をしたい。

 alpha-トマチン含量:

花(1100 mg/kg)
葉(975 mg/kg)
茎(896 mg/kg)


未熟果実(465 mg/kg)
熟した青い果実(48 mg/kg)
完熟果実(0.4 mg/kg)

参考文献:  

1. Shih YW1, Shieh JM, Wu PF, Lee YC, Chen YZ, Chiang TA. Alpha-tomatine inactivates PI3K/Akt and ERK signaling pathways in human lung adenocarcinoma A549 cells: effect on metastasis. Food Chem Toxicol. 2009; 47(8):1985-95.

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